中国AIディープシークの衝撃!エヌビディア「1強」時代の次に来るもの
世界の株式市場は、ようやくエヌビディア・ショックから立ち直りつつあるようだ。
先月27日、一瞬にして時価総額約6000億ドル(約91兆円)が吹き飛んだエヌビディア株。それはトヨタの時価総額の2倍に相当し、単一銘柄の1日の時価総額減少額として史上最大だった。
発端は言うまでもない。中国のAI開発スタートアップの「ディープシーク」が、低コスト(従来の10分の1以下)で高性能な生成AIモデルを公開したことだった。同社のAIモデル「R1」は、エヌビディアの最先端の画像処理半導体(GPU)に頼らずに開発され、米国の競合モデルを上回る性能を示したと報じられた。
このニュースを受け、エヌビディアをはじめとする米国AI関連企業の優位性が揺らぐのではないかという危惧から、大幅な株価の下落となったのだ。日本市場への影響も強烈で、アドバンテストが1日で11%、フジクラは9%も下げたものだ。
あれから3週間、市場のショックは少しずつ和らぎ、アドバンテストの株価なども持ち直してきている。西側諸国では、中国当局への情報漏れの警戒心もあり、ディープシークの「R1」の普及はそう簡単ではないことが“安心材料”になっているようだ。