萩生田光一氏は“わきまえない男” 安倍派幹部「立件断念」報道で早くも裏金を演説ネタに
「東京地検に連れていかれることはございません」──裏金捜査をネタに「つかみはOK」だ。自民党の派閥パーティー裏金捜査を巡り、刑事告発された安倍派幹部7人全員の「立件断念」報道を受け、萩生田前政調会長が堂々と勝利宣言。支援者に軽口を叩き、悦に入っても、まだまだ「無罪放免」とはいかない。
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萩生田氏の地元・八王子市は現在、市長選の真っ最中だ。21日の投開票に向け、萩生田氏は自公推薦の元都庁職員・初宿和夫氏(59)を猛プッシュ。萩生田氏の大放言は16日夜、初宿陣営が寺の集会所で開いた個人演説会で飛び出した。
応援弁士として「政治資金問題で地元の皆さまにご心配をかけて申し訳ない」と自ら裏金ネタを前振り。「しっかり襟を正して、やり直していく」と決意を語ったが、神妙な顔つきはここまで。
「そうは言ってもワイドショーを見ていると、だんだん私の写真が(疑惑議員の)真ん中に寄ってきて」
悪びれもせず言ってのけ、会場の笑いを誘うとニンマリ。「『大丈夫か』と街の中でみんなが話していたのだろうと思いますが、そういう問題ではなくて『修正をきちんとする』ということになっております」と、東京地検特捜部との「手打ち」までにおわせ、冒頭のように断言したのだ。
現場を取材したジャーナリストの横田一氏が言う。
「萩生田氏の支援者30~40人が参加した『ミニ集会』の雰囲気でした。身内だらけで気を許したとはいえ、反省ゼロです」
捜査対象者にここまで軽口を叩かれるとは特捜部もナメられたものだが、「今週に入り、安倍派幹部が次々と検察が作成した供述調書に署名しているようです」とは政界関係者だ。萩生田氏も「一件落着」と安堵しているのだろう。目下の懸念の地元市長選でも心強い援軍が現れた。小池都知事が19日、初宿氏の応援演説に駆け付ける。
「対立候補で立憲や共産などが支持する滝田泰彦氏(41)は、小池知事が特別顧問を務める『都民ファーストの会』の元都議。小池知事の裏切りは、昨年の江東区長選で子飼い候補を自公に推薦してもらったバーターともっぱら。自民党都連会長の萩生田さんが裏で糸を引いたとも言われています」(都政関係者)
政敵だった“女帝”と握り、萩生田氏は「勝ったも同然」と思っているかも知れないが、裏金事件の逆風は収まっていない。不起訴になっても検察審査会の「市民感覚」による判断が待ち受け、加えて萩生田氏は他の幹部とは立場が大いに異なる。