圧力に屈しなかった鈴木史朗・長崎市長。肝が据わっているではないか。
「原爆を作る人々よ! しばし手を休め 眼(め)をとじ給(たま)え」
23歳で被爆し原爆症と闘いながらも原爆の悲惨さを訴えた長崎の詩人・福田須磨子さんの詩で始まった長崎市長鈴木史朗氏の「長崎平和宣言」は全世界に核廃絶と平和を訴える素晴らしいスピーチであった。
この式典ではパレスチナは招待され、イスラエルが招待されなかった。イスラエル大使は黙っていない。「市長の政治的動機に式典を利用した」とロシアと一緒にされて激おこだ。
しかし現在ガザ地区で民間人を4万人近く殺戮(さつりく)し、そのうち1万5000人は子供たち。これはとても「自衛権の行使」とは呼べぬジェノサイドである。
原爆も「戦争を終わらせるため」とはいえ、民間人の大量虐殺に変わりはない。その追悼式典に現在同じことをしている国を呼ばないのは、世界平和を願う一つのメッセージであろう。
鈴木市長は「政治的意図はない」と大人の対応をしているが、いやいや相当勇気のいる行動だ。