自民党総裁選で新キングメーカー争いの醜悪…「麻生太郎vs菅義偉」に岸田首相も参戦
物議を醸している「裏金返金」発言の震源地、河野太郎デジタル相が所属する麻生派(志公会・54人)が、27日派閥研修会を開催。9月の自民党総裁選での対応をめぐり、河野を原則支持する方針を確認した。もっとも、すでに小林鷹之前経済安保相や上川陽子外相の陣営に加わっている者もいるため、派閥として一本化はしない。麻生副総裁は「同じ釜の飯を食って育った河野氏を同志として応援したい」と呼びかけつつも「一致結束(箱)弁当みたいに縛り上げるつもりはない」と話したという。
岸田首相の派閥解消宣言に反旗を翻し、頑として派閥を唯一維持したのに一致結束できない。河野に勝ち目がないためだ。
「安倍・菅・岸田政権時代とずっと主流派で来た麻生さんですが、今回は苦しい。総裁選の構図として、ハナから言われていたのが『麻生vs菅』というキングメーカー争い。麻生さんより、小泉進次郎元環境相を推す菅前首相に勢いがある。菅さんに近いグループが進次郎さんを支援しています」(自民党関係者)
■最後はやっぱり旧態依然の「数の力」
すでに麻生の視線は、国会議員票の比重が重くなる決選投票にある。候補者乱立で1回目の投票は分散し、過半数を誰も取れないのはほぼ確実。決選投票では結束して、数の力を見せつけようと考えている。ただ、世論調査の結果などから、現状、決選投票に進む上位2人は、小泉進次郎元環境相と石破茂元幹事長になる可能性が高い。
「決選投票で“勝ち馬”に乗れば、麻生さんは非主流派に転落しなくて済む。しかし、麻生さんは石破さんを毛嫌いしているし、進次郎さんのバックには菅さんがいる。2人のどちらも選べず、決選投票も自主投票になりかねない」(前出の自民党関係者)