迫る前代未聞の「現職大統領逮捕」…水面下でうごめく韓国与野党それぞれの思惑
「ポスト尹」は真っ黒
「憲法裁は判事9人で構成され、6人が賛成すれば大統領は罷免される。当初は3人が欠員で、有利に働くとみた与党が補充を拒否。結果、大統領権限代行の首相も弾劾訴追され、代行の代行となった副首相は渋々2人を任命した。14日予定の第1回口頭弁論には、大弁護団を結成した大統領が出席する見通しです」(在韓メディア関係者)
罷免は回避したい尹大統領、政権交代を阻止したい与党は時間稼ぎ。一方、最大野党「共に民主党」は短期決戦で李在明代表の大統領就任を急ぐ。3年前の大統領選で惜敗した李が超ド級の司法リスクを抱えているからだ。被告人となった刑事裁判は複数に上り、大統領選をめぐる公選法違反(虚偽事実の公表)で昨年11月の1審判決で有罪を食らった。懲役刑の執行猶予が確定すれば国会議員失職、公民権停止10年だ。
「李氏は大韓民国随一のダーティー政治家。周辺で5人が不審死を遂げている。最高裁まで争う構えですが、法律上、1審判決後90日以内に2審判決、さらに90日以内に最高裁判決を出す必要がある。デッドラインは2審が2月中旬、最高裁が5月中旬。有罪確定前に滑り込み大統領就任を画策している」(前出の関係者)
ノーサイドは遠い。
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前代未聞の事態に韓国政界は大揺れだ。まさか尹大統領の死刑もあり得るのか。コリア・レポート編集長の辺真一氏の見解は――? ●関連記事【もっと読む】『韓国・尹錫悦大統領に前代未聞の出国禁止措置…逮捕ほぼ確実も「死刑」はあるのか?』で詳報している。