イーロン・マスクの政府効率化が社会保障にも…全米で抗議運動が勃発、トランプ支持層も怒り
政府効率化省(DOGE)による、海外援助から教育まであらゆる政府組織を対象とした予算と人員の大幅カットが、ついにソーシャル・セキュリティー(社会保障)にも及ぼうとしている。これに対し全米各地の受給者の怒りが爆発、抵抗運動が始まった。
ソーシャル・セキュリティーの老齢年金は日本の年金に相当し、多くの高齢者にとって不可欠なライフラインだ。すべての働くアメリカ人が給与からソーシャル・セキュリティー税を納め、62歳以上になると受給できる。
しかし、そのシステムがトランプ政権によって脅かされつつある。今年2月には年金支給に携わる職員の大量解雇が発表され、7000人の削減が予定されている。それに伴い、全米各地の年金事務所も一部閉鎖される見込みだ。
さらに受給者の神経を逆なでするようなニュースが続く。今後受給申請や変更手続きについて、従来の電話サービスが廃止され、オンラインか対面のみとなるというのだ。
変更の理由は「本人確認の厳格化」だ。DOGEを率いるイーロン・マスクは年金の不正受給を問題視し、「200歳や300歳の受給者がいる」と主張していた。しかし、これは社会保障局のシステム上のエラーで、データ入力が不完全な場合に150年以上前の生年月日が自動入力されるためとされている。
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