大阪万博直前、神戸山口組との抗争に「一方的な終結宣言」…6代目山口組の狙いと諸事情
7代目高山組長の誕生か?
15年末に約1万4100人だった6代目山口組の構成員と準構成員は、昨年末には約6900人に減少。神戸山口組も約6100人から約320人に減った。
「戦力差」は歴然だが、井上組長は「1人になっても引退・解散はしない」と周囲に漏らしているという。抗争が続く限り、警備にあたっている兵庫県警に命を守ってもらえる。
暴力団に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏は「これしか解決策はなかった」とこう続ける。
「これ以上、抗争を引き延ばすことは世間が許さず、このままでは人事も一向に代わり映えしない。兵庫県警が神戸山口組に対し、『おまえたちの意向はどうなんだ』と尋ねたところで、『勝手にせえ』となるかもしれないが、結果的に終結を受け入れざるを得ないのではないか。神戸山口組はもはやガタガタで自然解体するしかなく、山口組に対し、どのような手も打てない。10年に及んだ分裂抗争は何ら形式ばったこともなく終わり、6代目山口組の勝ち、神戸山口組の消滅ということになるのではないか」
分裂抗争勃発から10年、6代目山口組の組員は半数以下になり、司忍組長は83歳、後継者とみられる高山清司若頭も77歳になった。抗争終結を宣言して司組長が引退し、高山若頭が7代目山口組長に就任する目算か。