トランプ関税の交渉役を茂木敏充元外相が受けなかったワケ
麻生は4日、派閥裏金問題の党処分が明けた旧安倍派幹部の西村康稔元経産相の地元兵庫で開催された国政報告会に出向き、西村が茂木同様、麻生にとってポスト石破の有力カードであることをアピールした。
さらにさかのぼれば3月末、石破が主導した高額療養費制度見直しを凍結させ、予算案の修正に追い込んだのも麻生の仕掛けだった。
麻生は3月、早い段階で厚生族のドンでもある自派閥の参院議員の武見敬三・前厚労相を議員会館の自室に呼び込み、“凍結”議連をつくるよう指示。これを受けて武見は「高額療養費自己負担率限度額の引き上げは……当該制度を利用している当事者の意見を聞くことなく短期間の審議会による議論で決定するなどプロセスが不適切であった」として“高額療養費制度と社会保障を考える議員連盟”を立ち上げた。
「強引に採決に突き進めば、参院自民党からかなりの数が造反したでしょうから、石破は抜いた刀を鞘に収めるしかなかった。麻生さんはしてやったりですよ」(前出の全国紙記者)
徳俵に足がかかり、必死にこらえる石破だが、前門のトランプ関税に後門はオオカミばかり。うっちゃりに出るパワーはもう残されていないように見える。 (特命記者X)