放出確実も鬼気迫る自主トレ イチローが「50歳現役」に固執する理由
オリックス入団当初、首脳陣に振り子打法を否定され、フォーム改造を迫られた。「言うことを聞かなければ使わない」と言われたイチローは当時、悔しくて泣いた。このときの涙が、入団3年目の210安打(日本記録)を生んだ。
メジャー1年目には「日本人野手はメジャーで通用しない」というレッテルを、首位打者と盗塁王獲得で剥がした。
■年齢の定説への反抗
そしていま、イチローが猛烈に闘争心を燃やしているのは「35歳過ぎの野手は急激に衰える」というメジャーの通説に対してだ。前出の関係者がこう言った。
「40歳前の野手が衰えるというのは、あくまで一般論。個人差があって当然だし、イチローには衰えを極力抑えるトレーニングを積んでいるという自負もある。技術はむしろ向上しているという自信も持っています。なのに移籍市場では、少しでも成績が下がると、まったくといっていいくらい評価されなくなる。年俸がそれまでの10分の1までダウンするケースもザラです。イチローはそういった風潮にくさびを打ち込みたい」