打率1割台なのに…阪神・福留はなぜ起用され続けるのか
■阪神にはおとなしい選手が多い
ただ、阪神OBの一人は、「和田監督は、福留の闘志を買っているのかもしれない」と、こう続ける。
「打撃は結果が出ていないものの、守備力を重視する和田監督としては、守備面で最短距離で落下地点に入り、捕球、送球技術が高い福留は捨てがたい。しかも、ケガに負けない精神力もある。開幕3戦目の巨人戦の守備で西岡と交錯した際に、実は肋骨など複数箇所を骨折している。スイングするのはもちろん、痛くて眠れない夜もあったらしい。普通ならプレーできない体だったはずだが、若手に交ざって早出特打をしたり、休日返上で打撃向上に取り組んでいる。左手を骨折しても試合に出続けた金本(現評論家)ではないが、次代のレギュラー候補と言われながら、なかなか成長しない中堅、若手もその姿勢から学ぶことは多い」
年俸1億5000万円の2年契約で阪神入り。結果が出ないもどかしさは誰より本人が感じているはず。過去の実績にあぐらをかかずに汗を流す福留は、おとなしい選手が多い阪神の中で、存在だけでも価値があるというのだが……。