新庄剛志さんは脱いだら「ムキムキ」ですごかったが、トレーニング姿を見たことない

以前「常識から外れてみよう」と述べたが、最も当てはまるのが、僕が1997年に入団した頃、3番打者としてバリバリの主力だった新庄剛志さん(現日本ハム監督)だ。
一見、細身に見えるが、驚いたのは「脱いだらすごい」ということ。今でいう「細マッチョ」なんてもんじゃない。腹筋はバキバキに割れ、まるで「細ボディービルダー」のような体。それなのに、ウエートトレーニングをしている姿を見たことがないのが不思議だった。チームの施設ではなく、外のジムでひっそりとやっていたのだろう。努力している姿を同僚選手にも見せないのが新庄さんだった。
身体能力は抜群だ。守っては、三塁走者がタッチアップをためらうほどの鉄砲肩。バネがあるため、カモシカのように跳びはねながら走る。塁間などの短距離より200~400メートルくらいが抜群に速かった。
チャラチャラしているイメージがあるかもしれないが、グラウンドでは真摯だった。
入団当初、ショートだった僕の後方のセンターでは、新庄さんを中心とした外野陣がいつもポジショニングの話をしていた。
ファンを盛り上げるためならなんでもやる。
99年の巨人戦で槙原寛己さんが投げた敬遠のボールをサヨナラ安打したシーンは有名だ。これも「敬遠の球は打たないだろうという常識をブチ破ってファンを喜ばせたかった」と胸を張っていた。
移動の際はいつもベルサーチの高級スーツを身にまとっていた。そんな選手、当時はいなかった。フィーバーによる追っかけの「新庄ギャル」の存在もクローズアップされた。
人気はあっても、チームは暗黒時代真っただ中。日本ハムの監督となった今でこそ、マスコミをうまく使っているが、当時は「負けたら新庄のせい」という取材攻勢に頭を悩ませていた。マスコミ嫌いになり、
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