合宿初日はランニングのみ ハリルホジッチ監督の狙いと魂胆
日本代表のDF吉田麻也のコメントが言い得て妙だった。「今日は昼飯を食って、あとは走っただけですね」――。
新指揮官ハリルホジッチ率いる日本代表が23日、大分市内の競技場に集まり、27日午後7時半キックオフのキリンチャレンジカップ・チュニジア戦(大分スポーツ公園総合競技場)に向けた合宿をスタートさせたが、初日から驚きの連続だった。
午後5時すぎにスタッフ、選手を乗せたバスが到着。ロッカールームで簡単なミーティングを行った後、5時半にスタッフ、選手たち全員がピッチに姿を現した。
時計回りにランニングが始まった。
選手たちが口々に「珍しいよなぁ」と言い合っている。それもそのハズ。先頭集団にハリルホジッチ監督とコーチ陣。他に日本人通訳、サッカー協会広報部員、技術委員会の霜田技術委員長など“参加者全員”が一団となって走り始めたからである。
「監督は最初の6周こそ先頭を走ったが、7周目以降はペースアップしたこともあって最後尾に後退。それでも全11周を走り切り、詰め掛けた約3000人のファンの間からの『頑張れ!』の声に手を振って応えるなど余裕も見せた。これまでコートジボワール代表、アルジェリア代表を率いた時も、選手と一緒にランニングするのは珍しくなく、今回は練習前に『スタッフも全員参加するように』という指示があった」(取材記者)