プロが見た全米OP初日 「風が吹けばコースは別の顔になる」
リンクス特有の風が吹かず、高弾道のボールでいくらでもバーディーチャンスにつけられた初日。一時は2アンダーまでスコアを伸ばした松山も、あと2つぐらいバーディーを取って欲しかった。
こうなるとスコアメークの鍵はパッティングだ。フェスキューとポアナ芝の混ざったやっかいなグリーンは、ボールが跳ねたり左右に揺れて、ラインを読んでも思ったように転がってくれない。日本のコースでいえば、スズメノカタビラが出てくる春先の河川敷みたいだ。強めにしっかりヒットできる上りのラインを残さないと、グリーン上で必要以上に神経を使う。
初日は打ち上げだった9番のパー3は、2日目は打ち下ろしになるという。1番と18番のパー設定も入れ替わる。日替わりの「舞台設定」には批判の声もあるようだが、選手たちに大きな影響はないと思う。
練習ラウンドでは異なるパー設定を想定しプレーしているはずだし、9番の打ち上げや打ち下ろしも経験済みだからだ。
それよりこのコースは、強い海風が吹き出せば別の顔になる。早朝までテレビ観戦しているゴルフファンもそれを望んでいるに違いない。強風が吹けば、低弾道のボールを操るマキロイ(26)のプレーに注目して欲しい。
(プロゴルファー・並木俊明)