ゴルフ「2015年問題」加速の恐れ 背景に高額名義書き換え料
「会員権相場が下がっているのに名義書き換え料を見直さないのは、ゴルフ場にとって収益の柱だからです。ゴルフ場にしてみれば何もしなくて、ラクして金が手に入るわけです。バブルの頃は相場が2000万円で書き換え料は1割ほどでしたから、それほど割高感はなかった。しかし、今は相場が10万円なのに書き換え料が100万円なんていうところもある。中には『100万円や200万円払えない人は入会していただかなくて結構です』という高飛車なコースもあります」(会員権業者)
書き換え料が上がれば会員権相場が下がり、書き換え料が下がれば相場は上がる。実際、東松山CCなど、書き換え料と名変預託金を半額にしたところ、それまで20万円ほどだった相場が150万円まで上がった。
評論家の宮崎紘一氏がこう言う。
「こんなバカげた名義書き換えシステムがゴルフ市場をおかしくしている。責任者が承認のはんこを押すだけのために、それだけのカネがかかるわけですから、やらずぶったくりもいいところです。中には小金井カントリー倶楽部のように、名義書き換え料が1620万円というところもある。本来なら、相場が下がれば、書き換え料もそれに見合う金額にならないとおかしい。そうなればサラリーマンでも手が届くようになりますし、市場の活性化にもつながる。書き換え料がなくなれば、メンバーになってゴルフを楽しもうという人が増えるはずです」
ゴルフ場が苦労もしないでカネを手に入れる名義書き換えを廃止するとは思えないが、経営努力なしでは、いずれダレもゴルフをしなくなるはずだ。