<第2回>米国女子代表監督を招聘しなかった協会の罪
ロンドン五輪後の12年9月末に佐々木監督の契約が満了。10月14日に日本サッカー協会は契約延長を発表した。W杯優勝に五輪銀メダル。周囲からは“論功行賞”として当然のこととして受け止められた。
しかし、ロンドン五輪以降は若手が育たず、世代交代は進まず、中堅やベテラン選手は年齢的に衰えていった。15年カナダW杯の準優勝はラッキーが重なっただけ。間違っても佐々木監督の手腕ではない。スンドハーゲは選手の長所を引き出すことに定評があり、若手を抜擢する眼力も度胸もある。外国人指揮官として“情に流されずに”ベテランの首を切ることもいとわない。スンドハーゲに期待する声は多かった。
なでしこは7日、格下ベトナムを6-1で破り、大会初の勝ち点3を獲得した。しかし、五輪予選早期敗退が決まった後に完勝しても、むなしさが際立つばかりである。
スンドハーゲは12年12月、母国スウェーデンの女子代表監督の座に収まった。もしスンドハーゲが、なでしこの采配を振っていたら?
ベトナム戦後、佐々木監督の退任が発表されたが、何をいまさらではないか。とっくに賞味期限の切れた佐々木監督を引っ張り、監督交代のチャンスを見誤ったサッカー協会の罪は重い――。