選手&監督でCL制覇7人目 ジダンのどこが“名将”なのか
就任半年でチームを頂点に導いた。
日本時間29日午前のUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝戦。PK戦にもつれたアトレチコ・マドリードとの激闘を制し、2年ぶり11度目の欧州王者となったレアル・マドリードのジダン監督(43)は、「史上7人目となる選手、監督としてCL制覇」の快挙を成し遂げた。
「私にとってスペシャルな勝利。選手、コーチ、監督としてCLを制覇した。幸せです」
しみじみとそう語ったジダン監督は、今年1月に就任。主力選手との確執が表面化したベニテス前監督が成績不振で解任されるという逆風の中、下部組織を率いていたOBのジダン監督に白羽の矢が立てられた。
「ベニテス前監督は、戦術に選手をはめ込み過ぎる傾向にあり、中でもクリスティアーノ・ロナウド、ベンゼマ、ベイルのアタッカー陣から不満の声が漏れていた。そこでジダンはアタッカー陣に《攻撃に際しては自身のアイデアを尊重していい》と自由を与え、チームの攻撃力のポテンシャルをフルに引き出した。ブラジル人MFカゼミロを中盤の守備の担い手・アンカーに配置した判断も素晴らしかった。これによって攻守のバランスが格段に良化し、CL制覇の原動力になりました」(元サッカー・グラフィック誌編集長でサッカー解説者の中山淳氏)