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元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

残留か移籍か…セビージャ清武弘嗣が揺れる胸中を吐露

公開日: 更新日:

ドイツ復帰の選択肢は

「2017年はリーグ戦に欧州CL(チャンピオンズリーグ)、そしてカップ戦(国王杯)があるので出場機会も増えると思う」。スペイン・セビージャMF清武弘嗣(27)は、不完全燃焼に終わった今季前半戦を踏まえた上で昨年末、前向きにこう話してくれた。しかし17年に入っても、国王杯5回戦のレアル・マドリードとの2試合は出番なし。リーグも3試合続けて出番なしだ。(1月15日現在)

 冬の移籍期間(~1月31日)に代表チームメートのFW原口元気が所属するドイツ1部ヘルタ・ベルリンか、同じスペインの中堅ラ・コルーニャに招かれる話もあるようだが、残留するのか、それとも移籍するのか、現時点では流動的というしかない。

「出番のあるチームから話が来たら? 何とも言えないですね。(セビージャとの)契約もありますし。(16年)10月、11月とセビージャで試合に出てない状況で日本代表に呼ばれ、それでも(試合のパフォーマンスは)悪くなかったと思います。このままでいいのかな、とは思いますが……」と昨年末に清武は話してくれた。その時点では、セビージャ残留を基本線で考えていた様子だった。

 しかし――。セビージャは現在、攻撃陣の補強を画策中といわれ、名前が挙がっているACミランのFWバッカを獲得した場合、EU圏外選手のブラジル人DFマリアーノ、ブラジル人MFガンソ、清武の誰かを放出することになる。今季のチーム貢献度を考えると清武がターゲットとなる可能性は高い。本人も気が気ではないだろう。

■「決断は間違っていなかった」

 となると、一定の評価を得ているドイツに戻るのが、ベストな選択肢かもしれない。清武は「自分と(香川)真司君(ドルトムント)とを比べると競争している選手の質が違う。自分も高いレベルで競い合いたい」とセビリア行きを決断したが、思い描いた通りの状況にはなっていない。やはりコンスタントなプレー機会にこだわる方が賢明ではないか。

 スペインに渡って半年後のドイツ復帰には、戸惑いの抵抗感もあるだろう。しかしC大阪、ハノーバー、ロンドン五輪代表でともに戦ってきた親友のMF山口蛍(現C大阪)の例もある。

「半年ほどでハノーバーからC大阪に戻った蛍には、僕にも分からない苦労があったと思う。昨年末のJ1昇格プレーオフに勝った時、アイツの流した涙がそれを物語っていたのかなと。あいつの決断は間違ってなかったし、僕の決断も全然間違っていなかったと思います」

 こう話してくれた清武は自身の身の振り方をどう考えているのだろうか? 山口蛍と同じように半年でのドイツ復帰はあるのか? 日本の新司令塔の動向に大きな注目が集まっている。

(取材/サッカージャーナリスト・元川悦子)

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