全米女子初日イーブン 宮里藍が精出す“引退商売”の皮算用
【全米女子オープン 初日】
プロゴルファーに「引退」というものがあるとは知らなかったが、「今年で辞めます」と言わなければここまで注目されることはなかっただろう。3年ぶり11度目の出場となった宮里藍(32)は、2バーディー、2ボギーのイーブンパー、47位タイ(暫定)で初日を終えた。
「この大会はグリーン上で我慢を強いられることにある。一打一打丁寧にやりたい」
藍は03年に高3で日本女子アマに優勝。同年プロツアーで史上2人目となるアマ優勝を飾り、プロ転向1年目に5勝を挙げて史上最年少で獲得賞金が1億円を突破した。06年から米ツアーに本格参戦。10年には年間5勝を挙げて世界ランク1位にもなった。今年の5月にわざわざ「引退会見」を行ったのは、「他のプロとは違う」という特別な意識を持っているからだろう。
これまで米ツアー9勝の記録はあるが、メジャー大会はひとつも勝っていない。今大会初日のドライバー飛距離は233・65ヤード(1位は2アンダーのM・リー=270・85ヤード)。得意の小技もさびついた今、パワーゴルフの米女子ツアーで上位争いできないことは藍自身がわかっている。引退会見で「(引退するのは)モチベーションの維持が難しくなったのが一番の決め手」と言ったものの、パワーも技術も勝負できるレベルにないからツアーから撤退するのだ。