松山が米ツアー5勝目 圧巻逆転劇の背景に“パットの覚醒”
かねて松山の欠点に挙げられていたのがパッティングだった。6月の全米オープンは最終日の猛攻で2位まで順位を上げたが、3日目は1ピン以内のパットが入らず苦戦していた。グリーン上でパットが入ったり、入らなかったりの日替わりだった。
それが、今大会は別人のようにパットを入れまくった。
理由のひとつは新パターの投入がある。
今大会はエースパターのピンタイプではなく、火曜日に手元に届いたマレットタイプだった。慣性モーメントが高く、直進性に優れており「予選落ちがないから使ってみた」ところタッチがピタリと合っていた。
だが、新パターを手にしたからといって本人も勝利を確信していたわけではない。
「スタート前はパープレーなら最高だな、という状態だった。いつ曲がって、いつとんでもないミスするのか不安で不安で仕方なかった」
松山は慎重な性格で知られ、常にミスを恐れながらラウンドしている。「ショット、アプローチ、パットともだいぶ調子は上向いているが、それでも不安はある」と神経質すぎるほどだ。