優勝誓う新大関・栃ノ心 モンゴル勢より怖い“本当の敵”
「(名前の)字が大きくなってうれしいね。(凱旋帰国は)楽しかったよ。今度は優勝したい」
満面の笑みでこう話すのが、新大関の栃ノ心(30)だ。
25日に発表された7月場所(名古屋)の新番付。栃ノ心は5月場所後に昇進を果たし、晴れて西の大関として土俵に上がることになる。
そんな新大関にとって、最大の敵になるのがモンゴル勢……というわけではない。確かに彼らも強敵だが、何よりも懸念されるのが自身の腕力だ。
無双の怪力を誇る栃ノ心は、つりを得意としている。しかし、平幕だった2013年に180キロの巨漢、徳勝龍をつった際、右ヒザの前十字靱帯を断裂。長期離脱を余儀なくされ、一時は幕下まで転落した。
当時よりは相撲もうまくなっているものの、こと大関となれば、そのプレッシャーは平幕とはケタ違い。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)も、「大関は常に優勝に絡まなきゃいけない」と話している。勝ち急ぐあまり、無理な体勢からつって、再び足を痛めようものなら悲劇の再現。年齢も30歳だけに、大ケガは致命傷になりかねない。