小倉清一郎氏が解説 2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭の死角
7月30日の北大阪大会決勝では、23得点を奪って大院大高に大勝した大阪桐蔭。85年に清原、桑田の「KKコンビ」のPL学園などがマークした大阪大会決勝最多得点を更新する歴史的優勝だった。絶対的王者に死角はあるのか。倒すならどこか。
■センバツV校が陥りやすいワナ
98年の80回大会で松坂(現中日)を擁して甲子園春夏連覇、この世代に秋の明治神宮大会、国体なども含め、前人未到の「公式戦44戦全勝」を果たした横浜高の元部長・小倉清一郎氏は「大阪桐蔭の優勝確率は、春は90%でしたが、この夏は60%と見ています」と指摘する。確率が下がったのはなぜか。連覇の重圧か。
小倉氏が続ける。
「重圧より怖いのは、過信や油断でしょうね。『自分たちは強い』と思ったら練習態度に表れます。高校生ですから、私の経験上、こういう時はころっと負けるものなんです。松坂の時は、夏の甲子園2回戦で杉内(現巨人)の鹿児島実に6―0で勝った後に雰囲気が緩んだ。間隔は中3日でしたが、星稜との3回戦の前、選手が明らかに集中していない。チンタラやっていたので、私はすぐに練習を中止にした。打撃練習もなし。すると、危機感を感じた選手たちは、バッティングセンターへ行って打ち込んでいた。センバツで優勝し、夏の甲子園で敗退した時も似たようなことがあった。今回の大阪桐蔭にも起こり得ることです」