ルヴァン杯MVP獲得 川崎“控えGK”新井章太に教えられたこと
ルヴァン杯決勝(10月26日)は3―3からPK戦となり、札幌のキッカー2人を止めて優勝に貢献した川崎のGK新井章太(30)がMVPを獲得した。相手6番目のボールをキャッチして勝利を手繰り寄せた瞬間、新井は左手でボールを抱え、駆け寄ってきたチームメートをかわしてハーフウエーラインを越えた辺りでトライ! まるでラグビーのようだった。
ほほ笑ましい光景をテレビで見ながら、埼玉・正智深谷高サッカー部の小島時和監督に電話した。
「正智深谷時代の新井を思い出したよ」
「そうです。卒業後は私の母校である国士舘大に進んで東京Vに入りましたが、2シーズンで解雇されました。ずっと気にかけていました」
新井はトライアウトで2013年に川崎に拾われたが、大半を控えGKの立場に甘んじていた。
小島監督の「真面目で頑張り屋です。いつかは報われる。日の目を見てほしい。そう念じていました」という声を聞きながら「オレも新井の不遇時代の心情が痛いほど分かる。よく頑張った」と返した。