D.ジョンソンがマスターズ初V 20アンダー圧勝に大雨が味方
【マスターズ】最終日
史上初、無観客のオーガスタを制したのは世界ランク1位のD・ジョンソン(36)。コースレコードの20アンダーは2位に5打差の圧勝。2016年全米オープン以来のメジャー2勝目となった。
前半は4番、5番で連続ボギー。同じ最終組で回るイム・ソンジェ(22)に1打差に迫られたが、6番パー3の第1打をピン左上2メートルにつけてバウンスバックに成功。バックナインに入ると13番から3連続バーディー。15番は20アンダーに乗せると右手で小さくガッツポーズ。追ってくるイムとC・スミス(27)を引き離し、グリーンジャケットを手にした。
■「最も勝ちたかった試合」
「マスターズは最も勝ちたかった試合だ。子供の時にマスターズで勝つことを夢見ていた。タイガーにグリーンジャケットを着せてもらうなんて夢のようだ」(ジョンソン)
3年前は世界ランク1位で優勝候補の筆頭に挙げられていたが、開幕前日にレンタルハウスの階段から滑り落ち腰を強打し、スタート前に棄権。昨年は優勝したウッズに1打差で惜敗。今年は10月にコロナに感染するも、体調を崩すこともなく、前週のヒューストン・オープン2位と調子を上げて現地入り。310ヤード超の安定したドライバーと抜群のパッティングタッチで悲願の優勝を遂げた。
それにしても、今年はスコアがよく伸びた。大会初日の大雨の影響で「ガラスのグリーン」がソフトになり、初日は53人がアンダーパー(最終日は43人)。G・ノーマンはBBCラジオで「これほどやさしいオーガスタをみたことがない。50人前後がアンダーパーなんて聞いたことがない」と述べていた。マスターズを見慣れているファンにも、少し物足りない大会ではなかったか。
T・ウッズは3度の池ポチャ
タイガー・ウッズ(44)が12番の池に泣いた。
第1打はグリーンエッジから手前の小川に入り、打ち直しの第3打がグリーンに乗るが、バックスピンで再びクリークへ。第5打はグリーン奥のバンカーにつかまる。ライが悪く、腰を曲げて打った6打目はまたもや小川の中へ。結局8オン2パットの10。これでズルズルと崩れないのがウッズだ。直後の13番でバーディーを奪い、15番から4ホールもすべてバーディーで締めくくり、通算1アンダー38位だった。
「12番は風を読み間違えた。多くのショットを打って、多くの経験をさせてもらった」(ウッズ)
昨年の最終日は、同組のF・モリナリ(38)や前組のB・ケプカ(30)が第1打を池に落とし、逆転優勝でパトロンを沸かせた。今年は12番で悲劇が待っていた。ちなみに12番のワースト記録は1980年のT・ワイスコフの13打だ。