「マスターズV6」を狙うT.ウッズと帝王ニクラスの共通点は

公開日: 更新日:

【マスターズ】第1日

 コロナ禍で開催時期が春から秋に延期されても、大会の幕開けはやっぱりこの2人の一打からだ。最多6勝を誇るジャック・ニクラス(80)と、3勝のゲーリー・プレーヤー(85)という名誉スターターのドライバーショットをゴルフファンはあと何回見られるだろうか。

 昨年奇跡の復活優勝を遂げたタイガー・ウッズ(44)も全盛時の勢いはないが、大会史上初となる2度目の連覇達成ならニクラスに並ぶV6。同時に米ツアー最多の83勝目となる。

 マスターズ優勝に関し、この2人には共通点が多い。ニクラスが初めて勝ったのは1963年。23歳の時だった。6度目の優勝は23年後の86年。「ジャックは終わった」と言われていた46歳2カ月。現在でもこれが大会史上最年長記録である。

 今年ウッズが勝てば、97年に史上最年少の21歳3カ月でオーガスタを制してからくしくも23年後。史上最多タイの6回目はニクラスに肩を並べる。

 ちなみに英国BBCによれば、前週世界ランク33位での優勝も46歳Vで世界を驚かせた時の帝王と同じである。

「昨年は観客の応援に後押しされた。今年は無観客という経験したことがないマスターズになる。そんな中でも昨年の再現をしたい」

 大会前にこう語っていたウッズは10番スタート。初バーディーは13番。右ラフからの第2打はピン手前14メートルにオン。ファーストパットは距離を合わせて2パット。15番は第2打をグリーン奥に外すが、アプローチを2メートルに寄せてバーディー。

 この日のベストショットは16番のティーショット。ピン右上3メートルから傾斜で戻し、30センチにつけ難なくバーディー。3アンダーで折り返した後半は、1番で5メートルのバーディーパットを決め、ノーボギーの4アンダー、暫定5位タイで初日を終えた。

メジャーでのノーボギーは106ラウンドぶり

 今大会、ウッズの第1ラウンドのボギーなしは2008年以来。メジャーでのノーボギーは09年の全米プロから、106ラウンドぶりだ。

「観客がいない中でのプレーだが、いいラウンドだった。パッティングでは少しミスが出た。雨が降る前からグリーンはソフトだったので、積極的に攻めた。観客がいないという環境の違いに適応できるかが勝負のカギになるだろう」(ウッズ)

 ウッズの今季飛距離はランクトップのデシャンボー(344・4ヤード)より、約50ヤードも劣る165位(295・3ヤード)。

 もはや「飛ばし屋」ではないが、このコースはウッズにとっては「庭」だ。偉業達成へ向けて、上々の滑り出しとなった。 

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された