新女王・山下美夢有がこれから背負う「常勝」の重圧…雑草育ちは短命のジンクスも
まだ上り坂の途中か、それとも……。
山下美夢有は13日に閉幕した伊藤園レディースで今季4勝目を挙げ、メルセデスランク1位を確定させた。ツアー本格参戦2年目にして、今季の獲得賞金は約2億327万円。昨季までの賞金女王から順位に応じたポイント制に変わり、史上最年少(21歳103日)の女王となったが、問題は来季以降だ。
「今年の山下は強めのパッティングが印象的です。外したときの返しのパットなど考えていないようにヒットする。『ゴルフは怖いもの知らずが強い』と言いますが、山下のパットがまさにそうです。全英に勝ち、国内でも4勝した2019年の渋野日向子(24)のパッティングも壁ドンと呼ばれ、カップの反対側に当てて入れる強いヒットが代名詞だった。しかし、怖いもの知らずだけでは長続きしません」というツアー関係者はさらに続ける。
「昨季9勝で賞金女王になった稲見萌寧(23)も今季は2勝していますが、昨年のような強さは見られない。女王の座に就くとスポンサーやファンも増える。毎回勝つことが当たり前だと思われ、それが重圧となり、勝てなくなると負の経験が蓄積されていく。気持ちが守りに入り、パットを強めにヒットするのが怖くなる。若い選手がコンスタントに勝ち続けるには勢いだけでなく、メンタルコントロールなどのプラスアルファも必要。21歳で賞金女王になった上田桃子が36歳になった今でも優勝争いに何度も顔を出すのはそれがあるからです」