下剋上連発のモロッコはCB2人がケガでW杯準決勝を欠場か…多彩な攻撃力のフランス有利の評
カタールW杯準決勝のもう一試合、日本時間15日午前4時にキックオフされるのが、2大会連続3回目の優勝を狙うフランス(FIFAランク4位)と、アフリカ勢として初の4強入りを果たしたモロッコ(同22位)だ。勝敗の行方を左右するキープレーヤーは誰か? どんな試合展開が予想されるか? 決勝でアルゼンチンと戦うのはどっちだ? 元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏と元ワールドサッカーグラフィック編集長の中山淳氏に聞いた。
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モロッコはグループリーグでクロアチアと引き分け、前大会3位のベルギーを撃破。決勝トーナメント以降はスペインとポルトガルを破るなど下克上を連発しているが、4強進出国のデータを比較すると「得点5」「パス成功1272本」「クロス成功13本」「シュート41本」「ゴール枠内シュート14本」は軒並みワースト。攻撃面は、ライバルと比べると大きく見劣りする。
それでもアルゼンチンとフランスが5失点、クロアチアが3失点に対して、モロッコは1失点。これはストロングポイントと言っていいが、前出の中山氏は「モロッコの堅守を支えていたCBのアゲルドとサイスが、ケガのためにフランス戦の出場が難しい」と指摘する。
モロッコは、恵まれたフィジカル能力を前面に押し出したアグレッシブな守備が持ち味。実際にクリア数118回、タックル数134回は参加32カ国でトップ。だが、正CB2人を欠けば守備力ダウンは避けられない。
「フランスの攻撃を差配するMFのグリーズマンは、攻撃時には自身の判断でポジションを自由に移動しながら連動性を高め、守備時には空いたスペースを的確に埋めながら相手中盤のキープレーヤーの動きを封じる。左エムバペ、右デンベレのサイドアタッカーも好調をキープ。多彩な攻撃力を誇るフランス有利とみます」(中山淳氏)