クスリ
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バイアグラで認知症を予防できる? リスクが30~54%低減との研究報告が
「シルデナフィル(バイアグラ)」は、男性の性的機能の治療薬ですが、それ以外にも多くの健康効果があるのではないかと、研究が進められています。 この薬は血管に働く酵素の阻害剤で、性器の血流を増加させる作用を持っていますが、この酵素...
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脂質異常症、糖尿病、解熱鎮痛…ありふれた薬の抗がん効果
生活習慣病などで日常的に使われる薬が、がんとの関係で注目されています。大阪大と国立がん研究センターのグループは、男女6万7768人を対象に抗コレステロール薬のスタチンとがん罹患リスクについて10年間追跡。スタチンを5年以上服用したグ...
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【細菌性髄膜炎】ステロイドの使用が推奨されている数少ない感染症
ステロイド薬は免疫を抑制するため感染症を悪化させてしまうケースがある……。これまで当連載で何度もお話ししてきました。ただしこれには例外があります。それは重症感染症の時です。 たとえば新型コロナ感染症では、軽症の場合は抗ウイル...
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子供のインフルエンザワクチンのベストな接種タイミング
インフルエンザワクチンの接種は、毎年10月上旬から開始されることが一般的です。ただし、ワクチンを接種しても、免疫機能が高まるまでには一定の時間がかかります。 一方で、ウイルスに対する免疫の持続は数カ月であり、毎年のワクチン接...
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「塩」はクスリとしても使われている…内服するケースも
みなさんは「塩」と聞くと、料理の味付けを思い浮かべると思いますが、じつはクスリとしても使われています。正式には「塩化ナトリウム」といいます。普段、料理で用いられる塩も塩化ナトリウムが主な成分になりますが、他にもさまざまなミネラルが含...
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【クリニカルパス】手術での「抗菌薬の適正使用」が進んだ大きな要因
私が薬剤師になった頃は、手術後の創部感染の予防のため、抗菌薬を1週間ほど点滴し続けることがよくあったように記憶しています。それが現在は、ほとんどが「術後24時間以内までの投与」となり、心臓手術においても術後48時間までの投与期間にと...
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剥がれてしまった「貼付薬」は再び貼り直さないほうがいい
クスリには「貼付薬」があります。湿布薬はもちろんですが、それ以外にも成分によっては気管支喘息、狭心症や心筋梗塞、認知症、パーキンソン病などの治療に用いられています。 高齢者の中にはこういった貼付薬を使っている方も多くいらっし...
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【破傷風】毒素に抗菌薬は無効…治療や予防にはトキソイドが使われる
前回、空気のない所で繁殖する「嫌気性細菌」、なかでもクロストリジウム属の細菌について触れました。クロストリジウム属細菌の中でも広く知られているボツリヌス菌では、ビン詰や缶詰といった空気を抜いた保存食品(特に自家製のもの)が原因になっ...
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60歳以上が対象の「RSウイルスワクチン」承認…接種を考えたほうがいい人は?
昨年9月、60歳以上を対象とした「RSウイルスワクチン」が承認され、今年に入って接種が開始されている。RSウイルス感染症の予防に役立つというが--。 RSウイルス感染症は、RSウイルスに感染することで引き起こされる呼吸器疾患...
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クスリに施されている「コーティング」にはちゃんと意味がある
高齢者の中には、複数種類のクスリを服用している方もいらっしゃるでしょう。改めてクスリを見ていただくと、表面がツルツルしていて光沢がある錠剤があると思います。そういった錠剤は「コーティング」されているために、そんな見た目になっています...
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花粉症専門医に聞く(4)新薬「ゾレア」はどんな人が対象になる?
重症患者向けに開発された「ゾレア」(一般名オマリズマブ)は、抗IgE抗体医薬になります。花粉症は、IgE抗体がマスト細胞に結合して起こります。ゾレアは、この結合を防ぐ働きがあります。 ゾレアは本人が使いたいと思っても、決まっ...
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やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」の意外な副作用…多血症との関係
血糖値だけでなく体重も落ちる。痩せる糖尿病薬として人気のSGLT2阻害薬だが、服薬している人は注意が必要だ。多血症と診断される可能性がある。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。 55歳の男性は...
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花粉症専門医に聞く(3)重症花粉症向けの薬を使う前に確認すべきこと
重症者向けの薬が登場したのは2020年。「ゾレア」という皮下注射の抗体治療薬です。非常に効果が高い薬ですが、しかしゾレアを考える前に、従来からある薬が本当に効かないのかを確認すべきです。 というのも、ゾレアが必要なほどの重症...
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血糖値が急上昇する「花粉症ステロイド治療」…糖尿病予備群も注意
花粉症の季節がやって来た。街中や電車内で鼻をグズグズする人を見かけることも。この季節は花粉症の症状を和らげるために注射を受けたり、薬を噴霧したりする人もいるはずだ。しかし、その中には副作用として血糖値を急上昇させ、糖尿病の人がインス...
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【ガス壊疽】急速に進展し治療しても8人に1人は死に至る
前回、発症早期では蜂窩(ほうか)織炎との鑑別が難しい疾患として壊死(えし)性筋膜炎やガス壊疽(えそ)があるとお話ししました。今回は「ガス壊疽」を取り上げます。 ガス壊疽も壊死性筋膜炎と同様に急速に進展する非常に厄介な疾患です...
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糖尿病の薬を使っていると飲酒検査が陽性になる?
仕事で車を運転する人に対するアルコール検知器による検査が、2023年12月から義務化されました。ある要件を満たしたドライバーは、定期的に検知器によるアルコールチェックを受けることになったのです。 飲酒運転を撲滅するためには必...
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新インスリン治療「BPT療法」は何がすごい? 経口薬への切り替えも可能に
インスリン療法というといまだに糖尿病末期の治療法と思い込んでいる人がいるが、間違いだ。ひと昔前は糖尿病が進行してからインスリン注射を打ち始めていたため、結果的に「インスリン療法を始めてしばらくして目が見えなくなった」「透析になった」...
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【壊死性筋膜炎】できるだけ早く発見して抗菌薬治療を開始する
前回お話しした蜂窩織炎と似ていて、発症早期には蜂窩織炎との鑑別が難しい疾患のひとつに「壊死性筋膜炎」があります。 蜂窩織炎は、皮膚およびその下の皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態ですが、壊死性筋膜炎は、さらにその下の筋膜(筋...
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最近よく見かける「配合錠」のメリットとデメリット
ここ10年くらいで「配合錠」というクスリをよく見かけるようになりました。高齢者の中には、すでに配合錠を服用・使用している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 配合錠とは、その名の通り複数の種類の成分が1つの錠剤に配合さ...
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低血糖リスクのある人は知っておきたい「バクスミー」の効果と限界
「低血糖」は糖尿病を薬でコントロールしている人に高い頻度で現れる緊急的な状況を指す。血糖値がおよそ70㎎/デシリットルを下回ると、大量の汗をかき、顔面が蒼白になり、手足が震える。50㎎/デシリットル程度まで低下すると、頭痛や目のかすみ...
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【蜂窩織炎】外傷や虫刺されから感染が始まるケースが多い
人の皮膚の下には皮下脂肪があり、皮下脂肪の下には筋肉が存在します。「蜂窩織炎」は、皮膚およびその下の皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を指します。皮膚の脂肪組織は蜂の巣のように見えるため、このような名前がつけられ、蜂巣炎と呼ばれるこ...
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採血による厳格なモニタリング「TDM」が必要なクスリもある
クスリの効果や副作用を確認するときに用いられるもののひとつに「血中濃度」があります。少し専門的な言葉になりますが、これを「薬物血中濃度モニタリング」(Therapeutic Drug Monitoring=TDM)といいます。では、...
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手軽に使える市販薬も「飲み合わせ」を甘く見てはいけない
体調を崩した際、手軽に購入できる市販薬で対処している人は少なくないだろう。ただ、市販薬を併用したり、服用中の薬と市販薬を同時に服用すると、思わぬ副作用を引き起こすリスクが高い。注意したい飲み合わせについて、薬剤師で「長久堂野村病院」...
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「薬害」が感染症を引き起こす…日本で何度も起こっている
前回、大腿四頭筋拘縮症の薬害問題について少しだけ触れました。これまで、日本でもたくさんの薬害が起こってきましたが、薬害により感染症が発生したケースも多く知られています。 以前、当連載でも紹介したクロイツフェルト・ヤコブ病(ヤ...
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避難所ではなるべくトイレに行きたくないなら…利尿剤の中止も考慮する
これまでは大規模災害時のクスリの取り扱いについてお話ししてきました。大事なことなので再度お伝えすると、避難時に持って行く荷物には必ず「お薬手帳」を入れておいてください。これによって、大規模災害時であっても服用・使用していたクスリの継...
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【ワクチン接種】筋肉注射のほうが副反応が少なく効果が高い
新型コロナ感染症の流行により、ワクチンを接種された方は多いでしょう。これまで、ワクチン接種といえば「皮下注射」が多い印象ですが、新型コロナウイルスのワクチンは「筋肉注射」であることを不思議に思った方もたくさんいたのではないでしょうか...
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離れて暮らす認知症の親の服薬管理はどうすべき?
高齢になるにつれ、処方される薬の種類が増えていきます。実際、厚労省によると、75歳以上の患者さんの4割は、5種類以上の薬を処方されているといわれており、薬の飲む種類、量や回数が多いほど間違いが起こりやすくなります。特に認知症の患者さ...
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大規模災害時は支援チームの医師が発行する「災害処方箋」によりその場でクスリが交付される
大規模災害などで病院の受診が困難な場合、特例で「病院を受診しなくても薬局でクスリを受け取る」ことができます。今回の能登半島地震でもこの特例が適用されています。 ただし、「お薬手帳」(もしくはお薬説明書)で継続的に服用・使用し...
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【感染予防】アフターコロナだからこそ正しいマスク装着とアルコール消毒を見直す
最近、「アフターコロナ」という言葉をよく聞くようになりました。たしかに、新型コロナ感染症はずいぶん落ち着いてきたようにも思います。今回は新型コロナとともに一般化した「マスク」や「アルコール消毒」についてお話しします。 じつは...
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多くの避難所で「クスリがなくなる…どうしたらいいのか」と質問を受けた
2024年1月1日16時10分、石川県能登地方でマグニチュード7.6の大きな地震が発生し、広い範囲で甚大な被害が生じました。能登地方に比べると軽微でしたが、私の居住地でも強い揺れの影響がありました。 今回を執筆する直前まで、...