やせる糖尿病薬「SGLT2阻害薬」の意外な副作用…多血症との関係
血糖値だけでなく体重も落ちる。痩せる糖尿病薬として人気のSGLT2阻害薬だが、服薬している人は注意が必要だ。多血症と診断される可能性がある。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に聞いた。
55歳の男性は役職定年を迎えてしばらくして、体重が増えてきた。責任あるポジションから離れたものの、年下の上司を陰で支えつつプレーヤーとして部署の成績を維持するのは想像以上にストレスだった。
気がつけばお酒の量が増え、ズボンのウエストがきつくなっていた。体が重いだけでなく倦怠感があり、心なしか以前に比べて喉も渇いている気がした。糖尿病だと感じたという。
「その男性がさっそく糖尿病専門医のもとを訪ねたところ、予想通り糖尿病と診断され、糖尿病の薬の処方箋をもらったといいます。薬はSGLT2阻害薬です。医師からは『きちんとお薬を飲んでいれば血糖値だけでなく体重も落ちていきますから、まじめに飲んでくださいね』と言われたそうです」
医師の言葉に従ってまじめに薬を飲み続けた男性は、しばらくすると確かに体重が減ってきたという。1カ月もすると4キロほど落ち、体調も回復した。