クスリ
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漢方薬には即効性のある薬はあるのか? 感染症にも使われている
中国が起源の漢方医学は2000年もの歴史がありますが、そんな長い歴史の中で繰り返し用いられてきた漢方薬には即効性のあるものもたくさんあります。 中でも感染症が知られていますが、実は漢方薬が本格的に病気治療に用いられるようにな...
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【ステノトロフォモナス・マルトフィリア】“切り札”として使われる抗菌薬が効かない要注意の耐性菌
「ステノトロフォモナス・マルトフィリア」──。なんだか舌を噛みそうな名前ですが、こんな名前の細菌が存在します。「Steno(わずかな)tropho(栄養で生きる)monas(種族)の中で、malto(麦芽)に親和性のある(philia...
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永久歯が抜けても“第3の歯”が生える…「歯生え薬」にかかる大きな期待 来年にも臨床試験計画
失った「歯」が再び生えてくる──。近い将来、そんな治療が現実になるかもしれない。来年7月、世界初となる「歯生え薬」の臨床試験が計画されている。研究を主導する医学研究所北野病院歯科口腔外科主任部長の高橋克氏に詳しく聞いた。 「第...
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手軽に買える一般用医薬品には必要ない成分が含まれているケースも
薬局やドラッグストアといったお店で購入できるクスリは「一般用医薬品」と呼ばれます。一般用医薬品は気軽に購入できてとても便利ですが、医療機関で処方される医療用医薬品とは異なった特徴があります。 その特徴として、1つのクスリに多...
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【ESBL産生菌】ペニシリンなどの抗菌薬が効かない耐性菌が日本でも増加中
「耐性菌」というと、どのような菌を想像しますか? 有名どころでは「MRSA」でしょうか。最近は「PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)」や「BLNAR(β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌)」なども話題となっています。 ...
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「病院で処方されるクスリ」と「店で購入できるクスリ」は何が違うのか
自宅の近くに薬局やドラッグストアがあって、ちょっと困った症状がある時はそこでクスリを購入して対処している──。そんな高齢者の方もいらっしゃると思います。病院を受診しなくても購入できるので、便利ですよね。では、病院で処方されるクスリと...
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実用化が近づくアルツハイマー病新薬「レカネマブ」さらなる最新ポイント
アルツハイマー病の新薬、レカネマブが厚労省の専門家部会で承認された。治療現場で使われるようになるのも間もなくだ。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩坪威教授(写真)にアルツハイマー病治療薬について話を聞いた...
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【はやり目】効果的な薬がないため自然回復を待つしかない
「流行性角結膜炎」は主にアデノウイルス(8、19、37型)による眼感染症です。このウイルスはとても感染力が強く、昔から俗に「はやり目」と呼ばれています。発症はどの季節でも起こりますが、夏に多い傾向があります。年齢による発症の差はあまり...
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承認されたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」ってどんな薬?
認知症で最も多くを占めるのがアルツハイマー病だ。厚労省は21日、薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会を開き、世界で注目されているアルツハイマー病治療の新薬の承認を決定した。日本認知症学会理事長で東大大学院医学系研究科神経病理学分野の岩...
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割ってはいけない3種類のクスリ…かみ砕いて服用するのもNG
高齢者の方の中には、「1回0.5錠」といった感じで錠剤を半分に割って服用している方もいらっしゃると思います。医療で使われている錠剤の多くはそのように半分に割ることができるのですが、中には“割ってはいけない”錠剤も存在します。今回は、...
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【誤嚥性肺炎】錠剤が飲みにくい場合でも自己判断で粉砕してはいけない
高齢者や脳血管障害後などは、嚥下機能が低下するケースが多いと前回お話ししました。 脳血管障害後には、咳反射が低下してしまうことが知られていて、その原因のひとつとして迷走神経知覚枝から咽頭や喉頭・気管の粘膜に放出されるサブスタ...
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鼻水の「色」によって抗生物質を使うのは誤り? 米国医師会雑誌が報告
風邪症状が長引く原因のひとつが副鼻腔炎、いわゆる「蓄膿(ちくのう)症」です。鼻の奥の副鼻腔と呼ばれる空洞に細菌などが増殖して炎症を起こし、膿(うみ)がたまるのです。 蓄膿は鼻詰まりや頭痛の原因になりますし、喉の奥に流れ込んだ...
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【誤飲性肺炎】常在菌が原因に…予防には口腔内のケアが欠かせない
「誤嚥性肺炎」は嚥下機能の低下により口腔内容物を誤嚥することで発症します。じつは健常者でも睡眠中などに誤嚥しているのですが、口腔内の常在菌は病原性が低く菌量も少ないため、通常は肺炎などを起こしません。しかし、高齢者や脳血管障害後などで...
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高血圧治療は半年に1回の注射でOKに? 臨床試験がスタート
高血圧は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心臓病などのリスクを高めます。そのため、高血圧と診断された人は血圧の薬を毎日飲む必要があります。 最近ではオンライン診療や長期処方などにより、以前と比べれば病院に行く回数は減りました。それ...
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帯状疱疹の痛みには一般的な鎮痛薬ではあまり効果が得られない
抗ウイルス薬の効果で水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖が抑制され、皮膚症状が改善したとしても、「ピリピリした痛み」が長期間続くことがあります。長い場合には数カ月続くケースもあり、帯状疱疹の症状の中では多くの方が困るもののひとつです。前回、...
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【誤嚥性肺炎】死因6位に…独立してカウントされるようになった
気管の入り口にある「喉頭蓋」は、われわれが食物や唾などをのみ込むとき、反射的に気管に蓋をして、食物などを食道に導く役割をしています。ただ、ときには誤って食物や唾などが気管に入ってしまう場合があります。このときには、咳き込んだりするこ...
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加齢で免疫機能が低下すると「帯状疱疹」を発症しやすくなる
「帯状疱疹」は高齢になるにつれて発症する確率が高くなる疾患で、ウイルスが原因で引き起こされます。ヘルペスウイルスと混同されることもありますが、帯状疱疹の原因になるのは水痘・帯状疱疹ウイルスです。 帯状疱疹は水疱(水ぶくれ)が名...
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医薬品が感染症を引き起こしたり悪化させるケースもある
この連載で、「水虫に対してステロイド軟膏の塗布で悪化」や「吸入ステロイドによる口腔カンジダ」といった、ステロイド薬を使うと免疫力が低下し、感染症になる危険性が高まるケースを何度かお話ししました。 しかし、ステロイド薬は体の炎...
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トローチに穴が開いているのには“命に関わる”深い理由がある
老若男女問わず、誰しも一度は「トローチ」を使ったことがあると思います。トローチは風邪などで喉が痛いときに舐(な)めるクスリです。 舐めて溶かすクスリなので内服薬だと思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、トローチはじつ...
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【カンジダ・アウリス】日本から報告された新種の真菌…高死亡率の感染症の原因に
「カンジダ・アウリス(Candida auris)」は、2009年に日本から報告された新種の真菌(カビ)です。70歳の女性の耳だれから見つかったため、ラテン語で耳を意味するaurisと名付けられました。 発見当初は高齢者で外耳...
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コレステロール降下薬で肝臓がんを予防? 20万人の解析から判明
肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれているように、その機能がある程度低下しても、痛みなどの症状が出ないことが多く、検査をしてみたら重症の状態だった、ということも多いのが特徴です。 その進行した状態は肝硬変と呼ばれ、肝臓の機能が高度に...
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「漢方薬」はいま西洋医学の現場でもこれだけ使われている 医師の9割が処方
漢方薬というと、たしかな効果がないのではといったイメージを抱く人も多い。しかし近年、漢方薬を処方する医師が増加している。漢方薬と西洋医学の最新事情について、千葉大学墨田漢方研究所の勝野達郎氏に詳しく聞いた。 ◇ ◇ ...
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クスリを「ピルケース」に入れる場合はいくつも注意点がある
薬剤師として働いていると、クスリを「ピルケース」に入れている患者さんを結構な頻度で見かけます。今は100円ショップなどでも手軽に購入することができますし、曜日や朝・昼・夕ごとに区切られているタイプもあります。さらには小さくて携帯性に...
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「手の多汗症」有病率は20人に1人…塗り薬が日本初登場
手のひらに大量の汗をかく原発性手掌多汗症。日本皮膚科学会のHPによると、原発性手掌多汗症の有病率は人口の約5.3%と極めて高く、医療機関へかかる割合は1割以下と、治療していない患者が多い。6月1日に日本初の塗り薬が登場した。これを機...
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【つつが虫病】ダニの一種に刺されて… 刺し口、発熱、皮疹が主要三徴候
前回、日本紅斑熱と症状がよく似ている疾患として「つつが虫病」について少しだけ触れました。つつが虫病は、日本紅斑熱と同じくリケッチア(微生物)が原因となる感染症です。 ダニの一種であるツツガムシに刺されることで、ダニが保有する...
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クスリの包装シートが手で簡単に1錠ずつ切り離せない理由
クスリを薬局で「一包化」(1回に服用する錠剤やカプセルが1つの袋にまとめて入っている)された状態でもらっている方もいらっしゃると思いますが、ほとんどの人は1種類ずつ「シート」でもらっているのではないでしょうか。錠剤やカプセルを指で押...
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【日本紅斑熱】マダニに刺されて感染…近年は夏前から増加中
5月、6月と「日本紅斑熱」の報告が相次ぎました。日本紅斑熱リケッチア(微生物)を保有するマダニに刺されることで感染します。 刺されてから2~8日頃に頭痛、全身倦怠感、高熱などを伴って発症し、高熱とほぼ同時に紅色の斑丘疹が手足...
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新型コロナ後遺症に糖尿病治療薬が有効? 63%リスクが低下
今年の5月8日以降、新型コロナは季節性インフルエンザと同じ扱いになりました。実際には流行は続いていますが、感染力は強いものの症状は軽いので、通常の風邪と同じように対応している方が多いと思います。ただ、高齢者や基礎疾患のある方では重症...
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意外なところから発見され生まれたクスリがいくつもある
今回はちょっと番外編に近い内容になりますが、思いもよらぬところから発見されたクスリのエピソードを紹介します。高齢の方はもしかしたらご存じの話かもしれませんし、そういったクスリを現在進行形で使っているという方もいらっしゃるかもしれませ...
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「疳の虫」に対して東洋医学ではどのように対処するのか
東洋医学の基礎理論に、陰陽学説があります。 これは、自然界の事象はすべて陰と陽という対照的な2つの組み合わせに分けられるという考え方です。例えば、水、静、下降、柔、女は陰、それに対する火、動、上昇、剛、男は陽となります。 ...