クスリ
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【ニューモシスチス肺炎】かつて「カリニ肺炎」と呼ばれていたカビによる日和見感染症
「ニューモシスチス肺炎」という病名を聞いたことがあるでしょうか? 舌を噛みそうな名前ですよね。この病気は「Pneumocystis jirovecii」という真菌(カビ)によって引き起こされる肺炎なのですが、耳にしたことがないという方...
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ワクチン未接種ではコロナ後遺症を発症しやすい? 感染後2年の追跡調査で明らかに
新型コロナウイルスに感染すると、症状が長引いたり、治まっても再発することがあり、このような状態は「コロナ後遺症」(罹患後症状)と呼ばれます。特にワクチンを接種していない人では、コロナ後遺症を発症しやすいと考えられてきました。 ...
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病気の治療に普段から使われている劇薬や毒薬はたくさんある
みなさんは「劇薬」や「毒薬」というとどのようなイメージをお持ちでしょうか? おそらく、「体に良くないもの」や「危険なクスリ」といった感じの方が多いのではないかと思います。 高齢になり使用するクスリの種類が多くなってくると、そ...
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漢方薬の間違った服用方法…飲み合わせ、量、タイミング
よくあるのが、間違った飲み合わせです。本来は白湯で服用するところを、お茶やジュースなどで飲む。健康食品やハーブ、西洋薬を一緒に飲む。 いずれも、お互いの成分が反応し合うリスクがあるため、漢方薬の本来の効果が発揮できなかったり...
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【真菌性眼内炎】目の中にカビが侵入して発症 カテーテル留置の合併症も
真菌(カビ)による感染症で、最近話題になったもののひとつが「真菌性眼内炎」です。カンジダやアスペルギルスなどの真菌が目の中に入り込んでしまうことで発症します。コンタクトレンズの装着や外科的な手術などで直接的に目が損傷を受ける場合(外...
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抗菌剤を使うと肺がんが増える? 感染症専門誌で韓国の研究結果が論文報告
肺がんは医療の進歩した現在でも、予後の良くないがんのひとつとして知られています。肺がんの原因として第一に挙げられるのはたばこを吸うことで、喫煙者が減少するにつれて、たばこと関連する肺がんは減っていますが、たばことは関連が少ないタイプ...
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多くの種類がある降圧剤はどう選択され、どう使われるのか
ここまで5回にわたり降圧薬について紹介してきました。他にもまだ降圧薬はありますが、主なものはほぼ取り上げましたので、今回は、実際にこうした降圧薬はどのようにして選択されて使われるのかについてお話しします。 まず大前提として、...
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【口腔カンジダ】口の中の常在菌が原因 免疫力の低下をきっかけに発症
前回お話ししたアスペルギルス症と同じ真菌感染といえば、「カンジダ感染症」のほうが有名かもしれません。以前、当連載でも膣カンジダについては取り上げたことがあります。免疫力の低下などにより、膣内常在菌であるカンジダが異常繁殖してしまうこ...
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血圧を下げるα1遮断薬とβ1遮断薬 きちんと副作用を知っておく
みなさんも一度は「アドレナリン」という言葉を聞かれたことがあると思います。「気持ちが高ぶると出てくるもの」とイメージする人が多いでしょうが、それで大きく間違っていません。 アドレナリンはノルアドレナリンなどとともに「カテコー...
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【アスペルギルス症】免疫力が低下した人では侵襲性の死亡率が50%を超える
九州北部~東海の各地で梅雨入りが発表され、関東甲信も間もなくでしょう。今回はジメジメした季節に発生しやすいカビ(真菌)による感染症についてお話しします。 ヒトに感染症を引き起こす真菌としては、アスペルギルスやカンジダなどが知...
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老親の「多剤併用問題」対策のポイント…薬5種類以上で転倒リスクが増える
高齢者の多剤併用が問題なのは、薬剤費の増大もさることながら、薬剤相互作用、飲み忘れや飲み間違いなどから、薬物有害事象のリスクが増えることだ。 「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では、「1種類でも服用回数や1回の服用...
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降圧剤「ARB」がACE阻害薬と併用されない理由 副作用が増強
前回は降圧薬のひとつである「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬」についてお話ししました。今回は、その親戚のような薬剤「アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)」について取り上げます。 ACE阻害薬と同様に、ARBもレニン...
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【クロイツフェルト・ヤコブ病】有効な治療薬はなく半年以内で寝たきり状態に
異常なプリオンタンパクによって引き起こされる一群の病気を「プリオン病」と呼びます。前回、お話ししたいわゆる狂牛病=牛海綿状脳症(BSE)もそのひとつです。ヒトのプリオン病にはクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、ゲルストマン・ストロ...
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睡眠薬が認知症の予防に有効!? 神経医学の専門誌に掲載
認知症の代表であるアルツハイマー型認知症では、まずアミロイドβというタンパク質が脳にたまり、それからしばらくして今度はタウという別の脳内タンパク質がリン酸化という変化を起こして蓄積します。脳細胞が死んで物忘れなどの症状が出るのは、そ...
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ACE阻害薬は血圧を下げるだけでなく臓器を保護する作用もある
「アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬」も高血圧の治療に広く用いられています。 われわれの体には血圧を上げるメカニズムがいくつか存在しています。「血圧を上げる」というと悪いイメージがあるかと思いますが、「血圧を保つ」という...
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【牛海綿状脳症(BSE)】日本を震撼させた「狂牛病」のいま
感染症の原因として、これまで細菌やウイルスだけでなく真菌や寄生虫などについてもお話ししてきました。今回は、異常なプリオンタンパクによる病気(プリオン病)について取り上げます。 プリオン病は感染性がある異常型プリオンが脳に沈着...
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「利尿薬」を使って尿量を増やすとなぜ血圧が下がるのか
「利尿薬」とは尿の量を増やすクスリで、高血圧の治療にも用いられます。今回は利尿薬を服用するとなぜ血圧が下がるのかについて説明します。 われわれの体の中を流れる血液は白血球や赤血球、血小板などたくさんのものから構成されていて、そ...
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【麻疹】感染力が強く手洗いやマスクだけでは予防できない
「麻疹」とは一般的に「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる急性の全身感染症です。語源には、「芒(はしか・のぎ)」とする説があります。芒とは、稲や麦などイネ科植物の穂先の針のようにとがった硬い毛のことで、...
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骨粗しょう症の薬で糖尿病が予防できる? 医学誌BMJで報告
新薬の開発には莫大なお金と時間がかかります。特に最近の新薬は、遺伝子工学の高度な技術を駆使してつくられていますし、その発売前の臨床試験も大規模なものを行わないと、世界で売れるような薬をつくることはできません。したがって、良い薬が開発...
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降圧剤「カルシウム拮抗薬」はグレープフルーツジュースに注意
高齢になると血圧が高めになり、降圧薬を服用している方もたくさんいらっしゃるでしょう。降圧薬は、その効き方によって多くの種類があります。ご自身が服用しているクスリの話も出てくると思いますので、参考になれば幸いです。 筋肉が縮む...
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【ニキビ】抗生物質を使う場合でもアクネ菌を全滅させるのは間違い
日頃から私たちが「ニキビ」と呼んでいる症状は、じつは「尋常性ざ瘡」という皮膚の病気です。ニキビの好発年齢は思春期以後で、成人では次第に減少していきます。女性ではしばしば中年過ぎまで見られますが、ニキビの発生には男女差はあまりないとい...
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コロナワクチン接種後死亡は2059件に 初の乳幼児用ワクチン死亡事例も
厚労省は今月28日、新型コロナワクチンの接種と副反応との関連性を議論する専門部会を開催した。 同会に提出した資料によると、予防接種開始(2021年2月17日)から22年3月12日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告...
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漢方薬を飲むタイミングが「食前」や「食間」なのはどうして?
漢方薬の添付文書には、「通常、成人1日○グラムを2~3回に分割し、食前(食事の30分前)又は食間(食事の2時間後)に経口投与する」と記載されていて、その通りに処方されている方が多いと思います。そこで、今回はなぜ漢方薬の飲み方は食前・...
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【トコジラミ】駆虫薬への耐性を持った「スーパー南京虫」が増えている
ここ3回、続けてシラミについてお話ししてきましたが、今回はトコジラミを取り上げます。 ヒトに寄生・吸血するシラミは、アタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類です。じつはこのトコジラミは「シラミ」と命名されているものの、シ...
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「漢方薬は安全」は大間違い 重大な副作用が起こるケースも
当連載の最初の頃に、クスリの副作用についてお話しした際、「漢方薬にも副作用はある」とお伝えしました。漢方ではない他のクスリに比べると、漢方薬のほうが副作用のリスクが少ないことに間違いはありません。しかし、だからといって漢方薬が絶対に...
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【コロモジラミ】感染症を媒介する危険 予防には入浴と洗濯が欠かせない
人に寄生する3種類のシラミについてのお話は、アタマジラミ、ケジラミに続き、残るは「コロモジラミ」です。 アタマジラミは主に子供の間でうつり、ケジラミは性感染症としてよく知られています。では、コロモジラミはどうでしょうか。 ...
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漢方薬は含まれる生薬の数が少ないほど即効性が期待できる
漢方薬は他のクスリに比べて副作用が少なく、安全性が高いことから、高齢者にもよく用いられています。読者の中にも漢方薬を現在進行形で使っているという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 漢方薬は生薬が組み合わされたものにな...
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【ケジラミ】完全な剃毛は難しいためピレスロイド系駆虫薬を使う
人に寄生するシラミは3種類います。前回のアタマジラミに続き、今回はケジラミについてお話しします。 アタマジラミは主に子供の間でうつるのに対し、ケジラミは性感染症として知られていて、主に性行為によって感染します。主に陰毛の基部...
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ワクチンに対する思い込みが重篤な副反応のリスクを高める? 米学術誌で報告
薬剤成分が含まれていないプラセボ(偽薬)を飲んでいるにもかかわらず、副作用が出てしまう現象を「ノセボ効果」と呼びます。薬に対する偏った思い込みは、ノセボ効果を増幅させる可能性があります。 新型コロナウイルスワクチンは安全性が...
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ステロイドを中止する時は「リバウンド」を避けるため徐々に減らしていく
さて、これまでお話ししたステロイドのさまざまな副作用を知って、「やっぱり使いたくない!」と考え、自己判断で中止や減量をしようと思った方がいらっしゃったとしたら、それは絶対にやめましょう。ステロイドを急に中止・減量すると、症状が再燃す...