クスリ
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漢方薬にも「劇薬」はあるのか トリカブトの根を乾燥させたものも
劇薬とは一般的に、激しい薬理作用を持つために使用量を誤ると生命にかかわる薬物のこと。日本では厚生労働大臣により指定されています。 実は漢方薬の中にもその劇薬はあります。代表的なところでは附子という植物の塊根を粉末にした生薬で...
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【エキノコックス症】幼虫を完全に死滅させる駆虫薬はなく予防が重要
「エキノコックス症」はエキノコックス属条虫の幼虫(包虫)に起因する疾患です。日本では北海道のキタキツネが主な感染源で、糞中にエキノコックスの虫卵が排出され、ヒトにはその虫卵が手指、食物、水などを介して口から入ることで感染します。また、...
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「電子処方箋」10月末からの先行運用でクリアすべき課題が見えてきた
厚労省は来年1月から「電子処方箋」の運用開始を目指している。医療機関から薬を出してもらう際に必要な処方箋をこれまでの紙からデジタルデータに変更し、オンラインで運用するシステムだ。10月末からは山形県酒田、福島県須賀川、千葉県旭、広島...
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抗ヒスタミン薬の副作用「眠気」と「口渇感」が“食べる”の障害に
高齢になっても元気に“食べる”うえで、個人的に注意が必要だと考えているクスリは「抗ヒスタミン薬」です。以前にも一度少し触れたことがありますが、さらに詳しくお話しします。 抗ヒスタミン薬というとピンとこない方もいらっしゃるかも...
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高齢者や終末期患者の抗がん剤の飲み方を考える 在宅医療の名医が解説
前回、高血圧や糖尿病の薬は、年齢、体重、食べる量、運動量の変化に合わせて替えていくべきで、「一生同じように飲み続けなくてはいけない薬はない」という話を「しろひげ在宅診療所」(東京都江戸川区)の山中光茂院長に聞いた。山中院長は毎年20...
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【便の着色】黒色便の原因は薬なのか出血なのか 慎重な判断が必要
前回は尿の着色について取り上げました。では、「便」はどうなのでしょうか? 小児のロタウイルス感染における特徴として白色便が出ることがありますが、医薬品によって便が着色するケースもあります。 有名なのは鉄剤による黒色便...
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血液サラサラ薬を飲んでいるなら、ちょっとした頭の打撲も要注意 すぐにCTで検査をと医師
超高齢化社会の日本で患者数が多いのが、加齢がリスク因子となる脳梗塞や心筋梗塞だ。治療として、血液をサラサラにする抗血栓薬を使用することになるため、脳梗塞や心筋梗塞が増えれば、必然と抗血栓薬を服用する人も増える。適切な使い方を念頭に置...
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コロナワクチン副反応 厚労省が新たに111人の医療費・医療手当を認定
厚労省は24日、新型コロナワクチンによる健康被害救済を審議する専門部会を開催した。今回は死亡事例請求の審査はされず、131件の医療費・医療手当の請求が審議された。そのうち111人に「ワクチン接種によって起きた可能性が否定できない」と...
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糖尿病の治療薬が呼吸器疾患に効く 一流医学誌に論文掲載
「COPD」というのは慢性閉塞性肺疾患という病気のことで、主にたばこを原因として、肺が破壊され、慢性の炎症を起こすなどして肺の機能が低下します。COPDで怖いのは、風邪などをきっかけとして急激に呼吸状態が悪化する「急性増悪」と呼ばれる...
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クスリの影響で唾液が出なくなると“食べる”に悪影響が生じる
深く考えたことがないかもしれませんが、「唾液」の役割は実に多様です。そして、唾液は“食べる”うえで極めて重要な役割を持っています。 唾液にはアミラーゼという酵素が含まれています。アミラーゼは炭水化物を消化する働きがあるので、...
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「一生飲まなきゃいけない薬はない」 高齢者の薬の正しい飲み方とやめ方 在宅医療の名医が語る
「血圧の薬は一生飲み続けなくてはいけない」──こんな言葉がまかり通っているが、本当だろうか? 高齢になれば筋肉が衰え、体重も落ちていく。薬を飲み始めた40~50代とは体重も食べる量も運動量も違う。まして、その当時の正常値と70代以上の...
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不眠に効く漢方薬はあるのか? 3つのタイプ別に処方される
誰しも「眠ろうとしても眠れない」「もう少し眠っていたい」「もっとぐっすりと眠りたい」と思ったことがあるのではないでしょうか。眠りに不満があっても、通常は数日から数週間のうちにまた普通に眠れるようになるものですが、それが長期間続いたり...
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【尿着色】薬だけではなく病気が原因で色が変化するケースも
前回、抗生物質(抗菌薬)の使用によって尿が着色するケースがあるというお話をしました。 尿への着色が知られている医薬品には、前回取り上げた抗菌薬のセフォゾプラン(赤色~濃青色尿)やミノサイクリン(黄褐~茶褐色、緑、青色尿)以外...
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眠気や味覚に影響するクスリは“食べる”をジャマする
“食べる”という行動は、先行期(認知期)、準備期、口腔期、咽頭期、食道期に分けられると前回お話ししました。そして、それぞれに対してさまざまなクスリが影響を与えます。 まず、「中枢抑制作用を持つクスリ」(抗精神病薬、抗うつ薬、睡...
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【紫色尿バッグ症候群】増殖した腸内細菌が原因で尿が紫色に変色
「紫色尿バッグ症候群」という名称を耳にしたことがあるでしょうか。文字通り、採尿バッグ(蓄尿バッグ)内の尿が紫色に染まる現象です。私も20年ほど前、初めて見た時は「いったい何の病気なんだ?」と、かなりびっくりしました。紫色尿バッグ症候群...
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「BA.5」対応ワクチンの女性2人含む接種後死亡は1909件 厚労省が報告
厚労省は今月11日、新型コロナワクチンの接種と副反応との関連性を議論する専門部会を開催した。 同会に提出した資料によると、予防接種開始(2021年2月17日)から22年9月4日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告さ...
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「食べる+のみ込む」5つのステージにクスリが影響を及ぼす
われわれが普段当たり前に行っている“食べる”という行動は、先行期(認知期)、準備期、口腔期、咽頭期、食道期に分けられ、これを「摂食嚥下5期」と呼びます。 先行期(認知期)は、食べ物を認識して口に運ぶ時期のことです。われわれは...
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コロナワクチン接種後死亡 新たに6人の補償を決定し計10人に
新型コロナワクチンの健康被害を審査する厚労省の「第153回疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」が7日に開催され、新たに6人の死亡一時金(4420万円)と葬祭料(21万2000円)の請求が認められた。これにより死亡一時金...
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【褥瘡(床ずれ)】薬で解熱しても発熱を繰り返していた原因は腰にあった
以前もお話ししたように、感染症、悪性腫瘍、膠原病は3大不明熱疾患と呼ばれ、感染症では結核や感染性心内膜炎などが不明熱の原因として知られています。 以前に、こんな患者さんがいらっしゃいました。たしか、80代くらいだったと記憶し...
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クスリの影響も“食べる”力が低下する大きな原因になる
日本人の平均寿命は男女ともに、ほぼ毎年最長を更新しています(2021年は新型コロナウイルスの影響で少し短くなりました)。もうひとつ、「健康寿命」という言葉があります。健康寿命は「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期...
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この冬こそ、コロナとインフルエンザのW流行リスク…受験家族はどうするべきか
この冬、懸念されているのが新型コロナと季節性インフルエンザのダブル流行だ。行動制限の緩和と海外からの観光客増加でそのリスクが高まっているからで、政府も1日最大75万人の感染者が出る可能性を示している。 そんな中、とくに気にな...
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【薬剤熱】抗菌薬が原因で起こるケースが約3分の1を占める
前回、原因不明の発熱が起こる感染性心内膜炎についてお話ししました。ただ薬剤師としては、不明熱というとまず頭に思い浮かぶのが「薬剤熱」です。 薬剤熱はその名の通り、薬剤が原因で引き起こされる発熱のことです。特異的な所見がないた...
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コロナワクチン副反応 厚労省が新たに100人の医療費・医療手当を認定
新型コロナワクチンによる健康被害を審査する厚労省の「第13回感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会」が去る27日に開催された。 今回は死亡事例の請求の審査はされず、118件の医療費・医療手...
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人気医師の和田秀樹がズバリ教える「老化を遅らせる生活」
ベストセラーの申し子といっていいかもしれない。老年精神科医の和田秀樹氏だ。今年に入ってから著作が売れに売れ、先月のトーハン週間ランキングでは、トップ10のうち7冊がランクイン。これまでの経験を生かして、いずれも高齢者が元気に生きるコ...
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クスリの名前についている「アルファベット」にはすべて意味がある
高齢者のすべてがそうではありませんが、一般的に年を重ねるほどに持病の数は増える傾向にあり、それは使っているクスリの種類が増えるというのと同じことになります。 読者の中にも、複数種類のクスリを使っている方がいらっしゃるでしょう...
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2022年1月発売開始の新梅毒治療薬「ステルイズ」とはどんな薬なのか
梅毒患者の急増で注目されているのが、今年1月に発売開始された、長時間作用型のペニシリン製剤「ステルイズ」(一般名ベンジルペニシリンベンザチン水和物)だ。日本性感染症学会は発売後、「性感染症診断・治療ガイドライン2022」を追加改定し...
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【感染性心内膜炎】心臓の弁に感染した細菌を除菌するため抗菌薬を1カ月以上継続投与
原因不明の発熱が数週間から数カ月続いているとき、さまざまな病気の可能性が疑われます。感染症、悪性腫瘍、膠原病が3大不明熱疾患と呼ばれ、その感染症のひとつとして「感染性心内膜炎」も挙げられます。 感染性心内膜炎は、心臓の弁膜上...
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風邪の自宅ケアでは要注意…子供に大人用の薬を飲ませてはいけない
秋から冬にかけては急激な気温の低下などで風邪をひきやすくなる。とりわけ学校や幼稚園などで集団生活を送っている子供は風邪やインフルエンザといった感染症の原因になるさまざまなウイルスに感染しやすい。小児科にかかれない場合、自宅で薬を飲ん...
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「骨粗しょう症」のクスリにはいくつもルールが決められているものも
高齢かつ女性の方の中には、「骨粗しょう症」と診断されてクスリを使っている方もいらっしゃるでしょう。そうしたクスリの中に、「起床時に服用すること」「服用前後30分は水以外摂取しないこと」「服用するときにはコップ1杯の水で服用すること」...
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新型コロナワクチン接種後死亡一時金 厚労省が新たに72歳男性を認定で計4件に
ワクチンによる健康被害を審査する厚労省の「第152回疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」が17日に開催された。 今回は新型コロナワクチンについては18件が審議され、そのうち11件を「ワクチン接種によって起きた可...