クスリ
-
失明や死亡報告も…米国で市販の目薬による感染症が拡大のナゼ?
先週末、米国眼科学会がサンフランシスコで開催された。同学会会員で「自由が丘清澤眼科」の清澤源弘院長に届いた学会からの案内メールでは、米国内で市販の点眼薬による死亡事故が起きていて、世界の眼科医に警告が発せられているという。 ...
-
【TDM】薬剤耐性菌MRSAに対する治療では欠かせない有効な手段
前回、「TDM」(Therapeutic Drug Monitoring)に薬剤師が深く関わっている、というお話をしました。今回は、広く知られている薬剤耐性菌「MRSA」の治療について、薬剤師がどのようにTDMを活用しているのかを紹...
-
偏頭痛や群発頭痛に悩んでいるなら帯状疱疹ワクチンの検討を
今回は帯状疱疹ワクチンを取り上げたいと思います。 帯状疱疹ワクチンには、体内に潜む帯状疱疹ウイルスの活性化を抑え込む作用があります。結果、帯状疱疹の発症リスクを下げ、また発症しても重症化することを防ぎます。 ワクチン...
-
【TDM】薬の効果の判定や副作用を避けるため採血が必要なケースも
医薬品の投与後に表れる薬効には個人差があり、同じ用量の薬物であっても血液中の薬物濃度は人によって異なることがわかっています。安全域や有効血中濃度域が狭い薬物では、これらの個人差が致命的な副作用をもたらすこともあるので注意が必要です。...
-
高齢者が熱中症になりやすい理由と対処法…細胞内の水分量が減る
今年の夏は記録的な猛暑でした。連日、猛暑日を記録していた頃には、熱中症の高齢者がたくさん救急搬送されたというニュースをよく目にしました。老若男女、誰でも熱中症になるリスクはありますが、特に高齢者は熱中症になりやすいです。なぜなのでし...
-
【抗菌薬の長期投与】耐性菌だけでなく副作用や体内蓄積にも注意が必要
多くの感染症では、耐性菌発生の観点からも同じ抗菌薬を2週間以上継続することは避けられる場合が多いです。しかし、結核など一部の感染症では抗菌薬を長期間継続しなければ治癒しないことも知られています。このように抗菌薬の長期投与が必要な感染...
-
マジックマッシュルームの成分が有効? 1回で6週間効果が続く抗うつ剤
うつ病の治療といえば抗うつ剤ですが、眠気が強かったり、めまいが出たり、口が乾いたりと、副作用が多いことでも知られています。また、2週間以上は使用しないと、その効果が表れないという欠点もあります。 それでは、もっと続けることが...
-
クスリによる“アナフィラキシー”は抗菌薬や造影剤の注射で起こりやすい
前回、「アナフィラキシーショック」の原因としてハチ毒と食べ物を挙げましたが、じつは他にもあります。それはクスリ(特に注射薬)です。 クスリによるアナフィラキシーショックの症状は、ハチ毒や食べ物の場合と同様です。そして、クスリ...
-
【マダニ媒介新興感染症】世界各地で新たなウイルスが続々と発見されている
近年、マダニが媒介する新興ウイルス感染症が話題になっています。 「オズウイルス」は、2018年に愛媛県でマダニの一種タカサゴキララマダニから世界で初めて見つかりました。昨年は厚生労働省が、茨城県内において心筋炎で死亡した70代...
-
“アナフィラキシー”に見舞われたとき役立つ自己注射キット
みなさんは「アナフィラキシーショック」をご存じでしょうか? 今回はその症状や原因だけでなく、対処法についてお話しします。 まず、医療で言う「ショック」とは、何らかの原因で血圧が急激に低下して、意識障害など重篤な症状を起こして...
-
サル痘改め「エムポックス」 日本でワクチンの臨床研究がスタート
サル痘改め「エムポックス」の感染がじわじわと広がっている。10月3日発表の感染症発生動向調査週報速報データ第38週(9月18~24日)によると、新たに2件増えて今年の累積件数は197件。9月29日までだと206件となった。 ...
-
なぜ帯状疱疹ワクチンの対象年齢が、50歳以上から18歳以上に拡大されたのか
チクチクピリピリといった痛みの後、水ぶくれを伴う赤い発疹ができる帯状疱疹。これを予防する帯状疱疹ワクチンはこれまで50歳以上が対象だったが、対象年齢が一気に拡大し、条件付きとはいえ18歳以上になる。なぜ? 愛知医科大学皮膚科学講座教...
-
【アンチバイオグラム】感染症の治療に役立つ情報が分かる
前回、細菌の培養検査についてお話ししました。では、「アンチバイオグラム(Antibiogram:抗菌薬感受性率表)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? ある施設において、一定期間に分離された微生物の各種抗菌薬への薬剤感...
-
抗菌薬と一緒に「整腸剤」が処方されるのはどうしてなのか
この連載を読まれているほぼすべての読者は、これまでに何らかの感染症に罹患されたことがあるはずです。高齢者に多い感染症としては細菌性肺炎や尿路感染症などが挙げられます。そういった感染症の治療には「抗菌薬」が用いられます。文字通り細菌に...
-
インフル患者が急増…重症肺炎を避けるため肺炎球菌ワクチンを今すぐ打つべき
インフルエンザが流行している。通常は12月から3月にかけてがインフルエンザの流行シーズンだが、今年はまだ暑さの残る9月から患者が急増。前週と比較しての患者数が、流行の目安を大きく上回っている地域もある。インフルエンザにも十分に気をつ...
-
【培養検査】病原体が特定されれば効果的な治療ができる
感染症では、原因となる細菌や真菌などの病原体を特定するために、「培養検査」を行う場合があります。患者から採取した試料(血液、尿、喀痰など)を培養し、病原体の増殖や特性を調べるのです。 培養検査では、病原体の抗菌薬に対する薬剤...
-
米国で人気の「鼻づまり薬」は効果なし…米食品医薬品局発表で波紋
アメリカで市販されている風邪薬「鼻づまりを止める成分」には全く効果がない──。米食品医薬品局がこう発表し、驚きが広がっています。 この成分フェニレフリンは、ナイキル、スダフェッド、タイレノールなどアメリカで最も一般的な経口風...
-
ビタミンDを過剰摂取すると思わぬ病気を引き起こすリスクあり
前回、ビタミンについて紹介したので、今回はその中のビタミンDについて詳しくお話しします。 ビタミンDは脂溶性ビタミンのひとつで、骨にとってとても重要な役割を持っています。高齢かつ女性だとどうしても骨粗しょう症のリスクが高くな...
-
いま知っておきたい「爪水虫」最新情報(下)塗り薬と飲み薬のメリットデメリット
前回(上)の記事で、爪白癬(爪の水虫)の検査に新しい方法が加わったとお伝えした。イムノクロマト法を用いた国内初の白癬菌抗原キットで、顕微鏡など特別な器材は使わず、簡便な方法で、迅速かつ高い感度で爪白癬の有無がわかる。爪白癬は視診では...
-
【ギョウチュウ】多くで検査廃止も九州や沖縄はいまも保有率が高い
当連載の読者の多くは、小学生の頃に「ぎょう虫検査」をやった経験があるのではないでしょうか。朝、排便前に特殊なノリがついた青いセロハンを肛門に貼り付け、ギョウチュウ(蟯虫)が産んだ卵がないかを確認する検査に提出する、というものです。 ...
-
2回目以降の新型コロナワクチンは前回と同じ腕に接種すべき?
新型コロナウイルスワクチンが開発された当初、2回にわたって接種することが推奨されていました。一般的には、1回目と同じ腕に2回目のワクチンを接種します。しかし、2回目のワクチンを1回目と反対の腕に接種した場合、ワクチンの有効性にどのよ...
-
ビタミンとうまく付き合っていくために知っておくべきポイント
体の調子を保つうえで「ビタミン」はとても重要な役割を持っています。病院で処方されるビタミン剤もありますし、薬局やドラッグストアなどでサプリメントとしてビタミン剤を入手することができるので、比較的身近なクスリとして高齢者の中でも使って...
-
【サナダムシ】サケやマスの生食で感染 症状が軽く排便時に気づくことが多い
「日本海裂頭条虫」をご存じでしょうか。別名である「サナダムシ」という名称なら、聞いたことがある方も多いかもしれません。 サナダムシは、成虫の体長が最大で10メートル、体幅1.5センチにもなるヒトの寄生虫です。サナダムシという名...
-
アメリカで新たなEG.5対応コロナワクチンが認可され接種スタート
コロナ感染がじりじりと上昇する中、アメリカでは新たなワクチンが認可され、9月中旬から接種がスタート。しかしどれほどの人が接種するかは未知数です。 FDA米国食品医薬品局は9月12日月曜日、ファイザー社とモデルナ社に対し、オミ...
-
高齢者にとって安全性の高いコロナワクチンは? ファイザーとモデルナを比較
新型コロナウイルスワクチンの安全性について、高齢者を対象とした研究や、異なるワクチン同士を比較した研究は限られていました。そんな中、高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの安全性について、ファイザー社製のワクチンとモデルナ社製のワ...
-
「胃薬」が認知症のリスクになる? 神経医学の専門誌で報告
いくつかの「薬」は認知症のリスクになることが知られています。代表的なものは、抗コリン剤といって、自律神経の働きを弱める作用の薬です。また、睡眠薬や安定剤も、その使い過ぎが認知症のリスクになる可能性があります。 こうした薬はそ...
-
インスリンは冷蔵庫で保存しなければならないのはなぜ?
糖尿病の治療で「インスリン」を使用している高齢者もいらっしゃるのではないでしょうか。以前、糖尿病とクスリについて紹介しましたが、今回はインスリンの治療ではなく保存方法についてお話しします。 薬局でインスリンを受け取る際、薬袋...
-
【フィラリア症】日本では根絶したが全世界では1億人が感染
「フィラリア症」といえば犬の感染症で有名です。糸状虫(フィラリア)によって引き起こされる寄生虫の病気で、犬糸状虫は犬と蚊の体を行ったり来たりしながら増殖します。 感染した犬を蚊が吸血することで、蚊の体内にフィラリアの幼虫(ミク...
-
アルツハイマー病に対し現時点で使われている薬は2種類ある
先日から本欄で取り上げている新薬「レカネマブ」。この薬をはじめ、近年治験が行われている抗体医薬は、アルツハイマー病の原因物質、アミロイドβを除去する薬です。抗体医薬とは、細胞表面の目印となる抗原をピンポイントで狙い撃ちする薬のことを...
-
クスリを使っている人はお酒を飲んでも問題はないのか?
高齢者の方の中には、お酒を飲むことが好きな方もいらっしゃるでしょう。私は病棟での業務に携わっていますが、退院のときに「お酒はどのくらい飲んでもいいの?」と質問されることが時々あります。今回はクスリとお酒の関係性についてお話しします。...