「シモネッタのどこまでいっても男と女」田丸公美子氏

公開日: 更新日:

 満州生まれで、先の大戦で過酷な逃避行を経験した夫に対し、「あなたが中国人に預けられていれば、私はこんな目に遭わずに済んだ」と言う著者。対して夫は、「残留孤児として帰国した僕は中国語通訳になり、国際会議で君と知り合い結婚する」と応戦。丁々発止の中に、どこか夫婦の絆を感じさせられる。

「結局夫婦は“割れ鍋にとじぶた”。どんなに腹の立つ男でも、しょせん自分がふさわしいから妻になっている。年を取った後のよりどころは、やっぱり夫婦なのだから、“諦念”の境地で耐えるしかないわね」

 夫だけでなく、両親に義両親、息子、そして忘れえぬイタリア男たちとのエピソードも紹介。涙と笑いの人生模様を堪能できるエッセーだ。
(講談社 1500円)

【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭