「これだけは見ておきたい 日本の産業遺産図鑑」二村悟著/小野吉彦写真
日本や地域の近代化、産業の発展に多大な貢献をした建物と、関連する機械や設備が大切に保存・管理され、当時の活躍ぶりを伝える。
中には、関東大震災や第2次世界大戦の空襲をくぐり抜け、住人に水を供給し続ける「駒沢給水所配水塔」(東京都)のように今も現役で活躍中の遺産もある。
その他、古代ギリシャの神殿をほうふつさせる「稚内水陸連絡設備防波庇(北防波堤ドーム)」(乗客を波から守るための施設)や、鉄骨を三角形に組んだトラス組みの構造が美しい「清水港テルファー」(港湾で使われる荷揚げ用クレーン=静岡県)など、建築物自体の美しさに見惚れてしまうものもある。この夏休み、親子で近くの産業遺産に足を運んでみるのもいいかも。
(平凡社 1800円)