「美術館の舞台裏」高橋明也著

公開日: 更新日:

 美術館の現役館長が、美術館やそこで行われる展覧会の仕事の実際を案内するエッセー。

 現代的美術館の始まりは、1793年オープンのパリ・ルーブル美術館だという。一方、日本では明治以前まで「美術」という概念もなく、戦前まで3つの国立博物館が存在するだけだった。そうした歴史を踏まえた上で、新聞社や放送局などのマスコミが主導する日本独自の展覧会スタイルの背景や、学芸員(キュレーター)という仕事の内実や展覧会開催までの舞台裏など。実際に著者が携わった「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 光と闇の世界」展などを例に、押し寄せる商業化とグローバル化の波で変わりつつある知られざる美術館の世界を紹介する。(筑摩書房 780円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」