「女神」藤田宜永著
しがない探偵の竹花のところに、料金着払いの荷物が届いた。差出人の山本浩信という名前に心当たりはない。開けてみるとボロボロの旅行バッグの中に、下着やTシャツに交じって千鶴という女宛ての恋文や、少女の似顔絵が入っている。
後日、初老の男が山本の遺品を受け取りにきた。山本は大阪のあいりん地区で病死したという。うさんくさいと感じた竹花は荷物を渡さなかったが、その後、女優の立花清華が訪ねてきた。山本は彼女の父らしいというのだ。そして、寝室に隠しておいた山本のバッグが盗まれた。このバッグをきっかけに竹花は24年前の殺人事件に巻きこまれていく。
探偵・竹花シリーズの7作目。(光文社 1900円+税)