「偏愛読書トライアングル」瀧井朝世著
新潮社の読書情報PR誌「波」に連載された書評コラム「サイン、コサイン、偏愛レビュー」から56本を厳選収録。
最終収録の「未来を考える」(2016年5月号掲載)で取り上げる本は、70年後の未来の日本を考える、吉田修一著「橋を渡る」と、若者が恋愛にもセックスにも興味を示さなくなった2030年の近未来日本の落とし穴を描く窪美澄著「アカガミ」、そして、16年近く溺愛してきたが昨年5月に亡くなった猫との奇跡のような至福の時間は、これから先の人生の支えになることを気付かせたという北村薫著「八月の六日間」の3冊だ。
紹介される作品は160冊以上。連載時にはなかった脚注と、本探しに便利な索引付き。
(新潮社 1700円+税)