「新極道記者」塩崎利雄著
競馬新聞の記者・松崎は、本業の競馬の他、競艇やオートなどの公営ギャンブルに始まり、マージャンやホンビキ(関西で発展した究極の博打)など、片っ端から手を出す無類の博打狂で、あちらこちらに借金をしていた。
しかし、1994年の秋、中山競馬場・京王杯オータムハンデでサクラチトセオーを的中させて以来、マージャンも高級ホテルの日本間スイートで密かに開かれたホンビキでもつきまくり、絶好調。おまけに、ダイヤルQ2で競馬情報を提供する会社を営む小笠原から儲け話まで転がり込んでくる。
有馬記念の日、華僑の2人組から持ちかけられた勝ち馬のタイムを予想する賭けで惨敗。以来、ツキに見放される。
各ギャンブルの醍醐味が楽しめる博打小説。(徳間書店 700円+税)