第一話 倫理的にあり得ない(9)扇子のように広げた手付金

香奈江はほっとしたように息を吐くと、横に置いていた自分のバッグを手に取った。
「必ず直人の親権を奪い返してください。このお金は、そのときにお渡しします」
テーブルのうえの五百万円を、香奈江はバッグにしまおうとする。それを見た涼子は、急いで止めた。
「あの、依…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,219文字/全文1,360文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】