第一話 倫理的にあり得ない(25)それでも父親であり続けられるのか
涼子は落ち着いた声で、安生に言った。
「その息子さんが、息子さんでなかったとしたら、あなたはどうしますか」
言葉の意味がわからない、というように、安生はかすかに首を傾げた。涼子は覚悟を決めて伝える。
「直人くんは、あなたの子供ではありません」
安生が…
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