第一話 倫理的にあり得ない(27)香奈江に親権は渡さない
安生は記憶を辿るように、遠くを見た。
「香奈江から妊娠を知らされたとき、私は不安になった。言い訳がましいが、私は特別、嫉妬深いわけじゃない。もしそうだったら、香奈江の夜遊びなど許していない。私が抱いた不安は、日頃のあいつを見ていれば誰もが頭をかすめたはずだ」
続く…
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