「明日は結婚式」小路幸也著
「明日は結婚式」小路幸也著
大学3年の秋郎は、同じ大学に通う幼なじみの敬介に明日、信用金庫に勤める姉の春香が結婚することを伝える。その驚きぶりから、敬介が姉に恋い焦がれていたのかと疑うが、そうではないらしい。
相手は実家がパン屋を営むデザイナーの真平さんで、秋郎もこれまで2回しか会ったことがないが、いい人のようだ。敬介によると、春香は幼い頃から秋郎を溺愛しているように見えたという。秋郎はこれまで誰にも話していなかったその理由を敬介に打ち明ける。
腹違いの兄・真平を慕う高校生の妹・真奈の深夜の告白、新郎の祖父・建造がかつて夫と営んでいた洋食屋の客だったことに不思議な縁を感じる新婦の祖母・壽賀子ら、両家と結婚する当人2人の結婚式の前日をそれぞれの視線で描く連作集。 (祥伝社 792円)