「コモングッド」ロバート・B・ライシュ著 雨宮寛、今井章子訳
「コモングッド」ロバート・B・ライシュ著 雨宮寛、今井章子訳
1983年、ブルックリンで生まれたマーティン・シュクレリはアルバニアからの移民だったが、金儲けの才があり、製薬会社を創業した。エイズなどの治療薬ダラプリムの薬価を1錠13.5ドルから750ドルに値上げして厳しい糾弾を受け、これが資本主義だと弁明する。彼は「コモングッド(共益)」にことごとく逆らったのだ。
「コモングッド」とはフランクリン・ルーズベルト大統領が明示した、言論の自由、信教の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由の「4つの自由」である。だが、もはや「コモングッド」は枯渇しつつある。
「コモングッド」を復活させるためには、市民教育への取り組みが必要なのだ。資本主義の暴走を指摘した一冊。
(東洋経済新報社 2090円)