田原俊彦 感謝イベントでファンが将棋倒し
焦った主催者は午後1時、開演の予定を急きょ50分繰り上げ、12時10分からコンサートをスタートさせた。ところが、これが裏目に出た。練馬署は開演時間に合わせて84人の警察官を配置する予定だったが、繰り上げの情報は警察側に伝わっておらず、開演時の警備態勢は予定の3分の1。田原が歌い始めて5分後に警備員の制止を振り切った場外ファンが1メートルの鉄柵を乗り越えて、ステージ左側の入り口に殺到した。つられるように場内のファンも混乱。ステージ後方の鉄パイプ柵が倒れ、約70人のファンが将棋倒しになり、4人の入院を含む29人が重軽傷を負った。そしてコンサートは即時中止。抗議するファンの大合唱が園内に響き渡った。
事故を受け、当夜のラジオに出演した田原は「みなさんとスキンシップを持ちたかったのに……本当に申し訳ありません」と涙を流した。豊島園の宣伝部長も「触れ合いの場をつくろうとした企画でしたが、大変申し訳ないと思っています」と謝罪した。ファンクラブからも、エキサイトしないよう気配りをすすめる声明も出された。
この事故で思わぬとばっちりを受けたのが竹本孝之。4月29日に豊島園で17歳バースデーコンサートを開く予定だったのだが、豊島園側からは中止の要請がきた。すでに告知済みだったため、竹本は開催場所を探すハメに。会場は運良くあいていた、よみうりランドに変更された。