前回は半沢に完敗…NHK企業ドラマ「太陽の罠」に識者は?
裏番組が豪華な俳優陣を起用した第一級の周年記念ドラマ「オリンピックの身代金」(テレビ朝日系)だけに、見るのを後回しにした視聴者は多かったはず。今週末にスタートしたNHKの土曜ドラマ「太陽の罠」(21時~、全4回)だ。
太陽光発電の最先端技術をめぐり、産業スパイの疑いをかけられた大手家電メーカーの若いサラリーマン(西島隆弘)が主人公の話。男女の愛と憎しみが交差するラブサスペンスをうたっているが、ビジネスシーンが舞台。同枠では池井戸潤原作の「七つの会議」以来の企業ドラマである。
「七つの会議」は、今世紀最高の視聴率をマークした「半沢直樹」(TBS系)と同クールの放送。話題は“倍返し”一色で、NHK版の池井戸ドラマは割を食ってしまったが、今度は“汚名返上”となるか。
初回を視聴した2人の識者は「期待できる」と口を揃える。
「主演の西島の線が細い演技は物足りなく、伊武雅刀扮する大手企業の部長職の人間があからさまに保身に走る人物描写は稚拙な印象。とはいえ、『ハゲタカ』や『外事警察』といった良質な社会派の作品を手がけてきた枠。安定感もさることながら、保守的なNHKが、初回から速いテンポでサスペンスの要素を取り入れ、奇想天外なストーリーを手がけるところに意欲を感じます。今後、西島の妻(伊藤歩)がどう絡んでくるのか。くれぐれも陳腐な恋愛ものに収まらないよう望むところです」(作家の麻生千晶氏)