「パリ、ただよう花」ロウ・イエ監督

公開日: 更新日:

「草食系? 初めて聞きました(笑い)。なるほど、花の中国人の恋人は草食系かもしれません。一方、花は性欲旺盛という意味での肉食系かというと、そうでもないんです。花はインテリで教師で、きちんと理性で自分をコントロールしてきた女性です。ところがマチュー(タハール・ラヒム)という建設工に出会い、原初的な欲望を自分に見いだす。そして、より肉体的なもの、性的なものを求めるようになっていってしまうのです。理性では制御できない衝動ですから当然、花の心に矛盾が生じ、葛藤するんですね」

■監督は国や法律などで規制されてはいけない

――ベッドシーンでのヒロインの表情、肌、汗まで艶めかしい。

「実は日本のロマンポルノで勉強させてもらったんです。撮影前に何本も見て、とりわけ影響を受けたのが神代辰巳監督。狭い密室での絡みのシーンを演出する際は、とても参考になりました」

――中国当局から睨まれながらも、創作を続ける原動力は?

「人間を描きたい、時代を撮りたいということに尽きますね。『天安門、恋人たち』で5年間の処分を受けたときは、表現の自由を脅かされ、心底腹が立ちました。ただ、そのことによって中国の検閲制度を世界に知らしめることができたし、映画監督は決して国や法律などで規制されるべきものじゃない。ベルトルッチ監督の『ラストタンゴ・イン・パリ』のように、さまざまな監督がパリを舞台に愛を描いてきました。今作では私の描く愛の形を感じていただきたいと思います」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出