NHK“夜の顔”河野氏起用も「現場の舵取り難しくなる」の声
――政権との距離感についてどうお考えか?
「NHKは国営放送ではありません。公共放送とは政権より視聴者に寄り添うもの。『ニュースウオッチ9』に限った話ではないが、これからもこれまで同様の報道姿勢を貫いていきたいです」
こう冷静に答える姿が印象的であった。
放送ジャーナリストの小田桐誠氏がこう言う。
「河野氏の起用は地味ながら玄人受けする人選。21時台のニュース番組は現場を踏んだ記者をキャスターに据えて、番組の象徴にするのがNHKの慣例です。籾井会長が就任して1年。国際放送の強化を打ち出した中期経営計画にもあるように、また籾井体制以前から執行部や経営委員会の国際放送に注力すべきという方針は首尾一貫している。そんな中、国際畑のキャスターを起用する同番組の制作現場はひとつ舵取りを間違えば、やっぱり政権寄りだと指摘される。視聴者の誤解を招き、信頼を失う事態にもなりかねない。どのように自分たちが目指す番組作りをするのか。針に糸を通していくように慎重な判断が求められるでしょう」
サブの女性陣も井上あさひアナ(33)から鈴木奈穂子アナ(33)へ、スポーツ担当も広瀬智美アナ(33)から佐々木彩アナ(28)へ。総入れ替えで臨むNHKの夜の看板番組。河野新キャスターのお手並み拝見だ。