デビューほやほやの榊原郁恵に森繁久弥が授けた“金言”
「森繁先生からいただいたお言葉の意味を最初に感じたのは、ピーターパンを卒業する時。7年間、本当にお客さまの拍手に育てられましたから。堕落もさせるという部分については、20代の時は忙しかったにもかかわらず、一つ一つのお仕事が印象深く残っていたんですよ。それなのに40代、50代になったら、1年をひとくくりに考えていたような……。お仕事をいただくことに慣れっこになっちゃって、ありがたみを忘れて流してるんじゃないだろうかって、反省したこともあります。
この色紙は今も自宅の部屋に飾ってあります。時々眺めては思うんですよね~。森繁先生は、何で17歳の小娘にこんなに重いお言葉をくださったんだろうって……。芸能界で生きていく上で、拍手をいただいてるうちは気が付かないだろうけど、テングになってたら知らぬ間に落ちるよ、という戒めでしょうか。おまえ、頑張れよって後押ししてくださったんでしょうか。いずれにしても、いくつになっても私にいい緊張感を持たせてくれて、思い出すたびに背筋がピンとするお言葉です」