「恩返しは何も…」デビット伊東が語る師匠・星セントの思い出
それから、ケガで落ち込んでいたこのとき、「そろそろ本気で舞台をやれ」と背中を押してくれた。で、その後に舞台に立つようになるとよく見に来てくれて。
ラーメン屋を始めたときも食べに来てくれて、「いいね。こういう人生もあるね。で、いつ舞台?」って。
そう言われて、「あっ、オレ、俳優のことを忘れてたぞ」って思い出したりして。そのころも、セントさんはずっと“こっちに進め”って明かりをともしてくれていた。そんな気がします。
セントさんが肺がんで亡くなる前は見舞いのため、何度か病院に足を運びました。ベッドで横になり、酸素マスクをつけているセントさんに、「おにぎり買ってこなくていいの?」なんて冗談を言ったら、セントさんは「食えねえよ、もう!」って。
ほんと、恩返しって何もできなかったなあ。助けられてばかりでした。