ドラマ「黒い画集」で好演 “オスカー祭り”で得した剛力彩芽

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【連載コラム 「TV見るべきものは!!」】

 芸能事務所のオスカープロモーションと聞いて、すぐ思い浮かぶのは豪華女優陣だ。視聴率女王・米倉涼子をはじめ、真矢ミキ上戸彩武井咲などを擁している。

 逆に男優はパッと名前が出てこないが、「ウルトラセブン」の森次晃嗣、田中健、志垣太郎といったベテランが所属している。そしてツートップが村上弘明陣内孝則だ。先週放送されたテレビ東京開局50周年特別企画、松本清張「黒い画集-草-」は、この2人に同じオスカーの剛力彩芽を加えた3人がメーンキャストだった。しかもオスカーは製作にも名を連ねており、いわば年度末“オスカー祭り”である。

 物語は総合病院を舞台にした連続殺人。その背後には組織的な麻薬犯罪の影がある。事件を捜査する刑事(陣内)、自称・翻訳家の不審な入院患者(村上)とその娘(剛力)という配役は、おのおのの“らしさ”が出ていて十分楽しめた。

 陣内は中途半端なコメディー(「獣医さん、事件ですよ」日本テレビ系)よりコワモテ刑事が似合うし、村上も自己チューな不倫男(「美しき罠」TBS系)よりも正義の人がお似合いだ。

 オジサマ2人に囲まれて一番得をしたのは剛力だろう。2年前の「ビブリア古書堂の事件手帖」(フジテレビ系)以来、印象に残る役が少ないが、今回は“秘密”を抱える24歳を好演していた。

(上智大学教授・碓井広義=メディア論)

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